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『最強の魔王に転生したが、討伐イベントが永遠に来ない件』を書くに至った想い

こんにちは。このたび『最強の魔王に転生したが、討伐イベントが永遠に来ない件』という、やたらと長いタイトルの作品を執筆させていただくことになりました。

まず皆さんにお伝えしたいのは、この作品は「よくある異世界転生モノ」ではありません。いえ、確かに魔王に転生した主人公が登場しますし、四天王も勇者候補も出てきます。でも、彼らが置かれている状況は、おそらく皆さんの想像とは180度違うものになっているはずです。

「最強」なのに「やることがない」という現代的な悩み

この物語の主人公・アークは、確かに最強の魔王です。どんな敵が来ても一瞬で倒せるし、四天王たちも超強力。でも、300年間平和が続いているこの世界では、戦う相手がいません。

「えっ、それって良いことじゃない?」と思われるかもしれませんね。でも考えてみてください。あなたが何年もかけて身につけたスキルを、一度も使う機会がなかったら? 自分の存在意義を見つけられずに、毎日を無為に過ごしていたら?

これって、実は現代を生きる私たちにも通じる感覚だと思うんです。

キャラクターたちの「その後」を描きたかった

従来の作品では、魔王軍の四天王といえば「主人公の前に立ちはだかる強敵」として描かれることが多いですよね。でも彼らだって、戦いのない世界でどう生きていくのか? そんな疑問から、この作品のキャラクターたちは生まれました。

料理配信をする火炎魔法使いのリュシア、農業系Vチューバーになった死霊騎士のグリム、完全に引きこもってしまった策略家のゼレフ、筋トレ教室を開いている怪力少女のビビ。彼らの現在の姿を想像すると、どこか可愛くて、でも少し切なくありませんか?

一方、人間側も同じです。元勇者候補の王女シエルは政務に追われ、元Sランク冒険者のミラは子どもたちに魔法を教えている。みんな「本当はもっと違う人生があったのでは?」という思いを抱えています。

平和の「重さ」を描きたかった

平和は素晴らしいものです。でも、あまりにも長く続く平和は、時として人々から「生きがい」や「目標」を奪ってしまうこともある。この作品では、そんな平和の持つ両面性を描いてみました。

主人公たちは「戦いたくて仕方がない」わけではありません。ただ、自分たちの力や存在に意味を見出したいだけ。そして、そんな彼らの前に現れるのが、謎の存在「イデア」です。

ギャグからシリアスへ、そしてその先へ

序盤は確実にコメディ路線で進みます。魔王が暇すぎて死にそうになったり、四天王の転職ぶりに笑ったりしてもらえると思います。でも、物語が進むにつれて、徐々に深いテーマが浮かび上がってきます。

「なぜ戦わなければならないのか?」
「平和とは何なのか?」
「自分の意志で生きるとはどういうことか?」

最初はギャグだと思って読んでいたら、いつの間にか深く考えさせられている。そんな作品になることを目指しています。

読者の皆さんへ

この作品では、序盤の「停滞した世界」の面白さと切なさから始まり、やがて世界が動き出したときの混乱と成長、そして登場人物たちが見つける新しい答えへと物語が発展していきます。

きっと読み始めた時の印象と、読み終わった時の感想は全く違うものになると思います。それが、この作品の一番の魅力かもしれません。

「強くなりたい」「特別になりたい」と願う一方で、「日常に埋もれてしまう不安」も抱えている現代の読者の皆さんに、何か響くものがあれば嬉しいです。

最強の魔王アークと、元勇者候補の王女シエル、そして個性豊かな四天王たちと一緒に、この不思議な世界の旅を楽しんでいただければと思います。

魔王の暇な日常から始まる、意外な物語

「最強なのにやることがない」という、一見贅沢すぎる悩みから始まるこの物語。でも読み進めていただければ、それがとても身近で切実な問題だということが分かっていただけるはずです。

笑って、考えて、そして最後には少しだけ希望を感じられる。そんな作品を目指して書きました。魔王アークの退屈な日常が、いったいどこへ向かうのか——その答えは、ぜひ物語の中で確かめてみてください。

連載中
https://kakuyomu.jp/works/16818792436154018758

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