なぜ、ただ口を開けて
世の中が 分かりやすく示してくれるものだけを摂取し
生きていくことが、出来ないのか。
なぜ、既に書店やWEB上に存在する 数多の作品を
探し、読み続けることで、心を満たすことが出来ないのか。
たとえページを開いて目を開き、もしくは光る文字を追いかけた
ところで
その運動だけでは 私たちは
そのすべてを享受できないからだ。
一つの文章、一つの本を自分の血肉にするためには
あらゆる他の何かが必要で
読むために生きているのか、生きているために読んでいるのか
次第には転倒していくありさまだ。
真に 読む喜びを得るためには いったいどれだけの
”犠牲”が必要なのか まったく見当がつかない
だが そうした苦悩の中で「書くこと」は ひどく真面目で分かりやすい手段のようにも思う。
自分が読みたい本を 何より自分のために書こうと
し続けることが、より豊かで幸福な読者になるための、
何よりの近道 だと信じたい。