作家さんによって作り方は様々だと思いますが、キャラクターを作る時に
私が一番大切にしているのは、「設定を作ること」ではなく、
「一人の人間として考えること」です。
年齢や身長、性格、能力などのプロフィールを決めることも大切ですが、
それだけではキャラクターは生きてくれません。
どんな家庭で育ち、何を大切にしてきたのか。
何に傷付き、何を失い、何に幸せを感じ、何を守りたいと思っているのか。
そうした積み重ねがあって初めて、その人物ならではの考え方や行動が
生まれるのだと思っています。
『Transmission』に登場するキャラクターも、誰か一人だけが特別という
わけではありません。
主人公だけでなく、それぞれが自分自身の人生を歩み、自分なりの価値観を
持って物語の中を生きています。
だからこそ、「この場面では作者としてこう動かしたい」ではなく、
「この人ならどう行動するだろう」と考えながら物語を書き進めています。
また、私はキャラクター同士の関係性もとても大切にしています。
一人ひとりの魅力はもちろんですが、誰と出会い、どんな言葉を交わし、
どんな影響を受けるのか。そうした積み重ねが、その人物をより魅力的に
してくれると感じています。
だから『Transmission』では、一人のキャラクターだけではなく、
仲間同士の空気感や距離感、信頼関係も大切に描いています。
そして、本編では語られていない部分についても、実は自分の中では
たくさんの物語があります。
各キャラクターの過去や現在、まだ明かされていない出来事など、
「実はこんな一面がある」「実はこんな過去を背負っている」といった
エピソードが、自分の中には数多くストックされています。
そうした設定を一人で想像して楽しんでいる時間も、創作の醍醐味の
一つです^^そのため、「本編の連載が終わったら、このキャラクターの
番外編も書いてみたいな」と思うこともあります。
さらに、主要キャラクター五人だけではなく、本編ではそれほど出番の
多くないキャラクターの中にもお気に入りがいます。
「この人を主人公にしたスピンオフを書いたら面白そうだな」と想像する
こともあり、気付けば頭の中で新しい物語が始まっていたりします(笑)
もっと深く掘り下げたい。
主役として描いてみたい。
そう思えるキャラクターが複数いるというのは、作者としてとても幸せな
ことなのかもしれません。
ある意味、自画自賛になってしまうのかもしれませんが(笑)
そんな妄想をしている時間も創作の楽しみの一つです。
イラストを描く時も同じです。
見た目の格好良さや可愛さだけではなく、「この人らしさ」が伝わる表情や
立ち姿になるよう意識しています。
自分の中では、登場人物は誰一人として「作者が自由に動かす駒」では
ありません。
皆、それぞれがどこかで本当に生きている(と思っている)人たちです。
だから、「この一行を書けばこう動く」と考えるのではなく、
「この出来事があったら、この人はどう感じ、どう行動するだろう」と、
その人物の気持ちを見守るような感覚で物語を書いています。
まだまだ試行錯誤の毎日ですが、読者の皆さんに「このキャラクターが
好き」と思っていただけたなら、それは作者として何より嬉しいことです。
私の中では、登場人物たちは今もどこかで、それぞれの人生を歩み続けて
います。
だからこそ、これからも、一人ひとりを大切にしながら、『Transmission』の
世界を描いていきたいと思います。