絶対誰も読んでねえんだろうなと最初から何一つ期待せずあげた話を思いがけず拾ってもらえてたのがとても嬉しいので、記念にこれも上げておきます。
つねきよさん、【キーウの幽霊】を知っているばかりか、
彼らのことにまで触れて下さって本当に本当にありがとうございます。
創作する者に大切なのは、本当にこういう、好奇心や感受性の強さなんですよ。
これはクリエイティブな才能にも本当に直結していて、
これがあり、磨かれると非常に優れた創作者になるのです。
読んでるのに無関心とか一番ある意味感じ取る才能が欠けたやつのすることだと思うな。
読まねえなら別に最初から無で、0に何掛けても0なんだからそいつの中に何の物語が生まれなくても不思議はないからいいんだけど、
読んでるならなんか感じて書けやそれが物書きやろと私なんかは思います。
心が動いた時には、書くんだよ。
物語だろうが
心が動いたことに対しての感想や
近況ノートに心がすっごい動いたことを、
まとまってなくても、
箇条書きでもいい、
気持ちだけでもいい。
でもとにかく物書きは書くんだよ!! 言葉を!!✨
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地上にいる人は、天上の光こそ、地上を照らす至高の光だと考えるでしょう。
しかし【彼ら】にとっては地上から射し込む光こそ、自分たちを照らす唯一の光でした。
暗い、明かりの無い深い場所に、少しだけ穴が開いた天井から、光が迷いなく一直線に射し込んでいます。
一人の兵士が気持ちよさそうにその光の麓で両腕を広げて、光を浴びています。
暗い製鉄所の底。
私が一番最初に見た写真はこれですが、
彼らの戦いを84日間、ずっと 無事でいてくれと祈りながら毎日毎日見守っていたので、この写真は胸を貫きました。
とはいえ、何の事情も知らない人が見ても、非常に美しい写真です。
真の芸術とは、そういうものです。
どんな背景の中で作られたのか知らなくとも「この写真からは何かを感じる……」そういったものを持っていて、
「気になるから、どういう背景の写真か調べてみようかな?」
と時に思わせ、行動させるようなパワーを持っています。
その射し込んだ光は、
前に話したウクライナ軍、マリウポリ防衛戦で最後の砦となった【アゾフスタリ製鉄所】の深い内部に、高い天井の損壊部分から射し込んだ地上の光です。
【アゾフスタリ】に籠城したアゾフ旅団の中に、
広報担当がいました。
ドミトロ―・コザツィキー。
(コールサイン【オレスト】)(※ウクライナの人の名前は非常に複雑で長いものが多く、戦時の混乱を避けるため軍に入るとコールサインを与えられ、それで呼び合います)
彼は84日間、敵に包囲された中で戦い続けた【アゾフスタリ】に最初から最後までいた兵士の一人です。
彼が最初から広報担当だったのかは分かりませんが、
別に機材を最初から持ち込んでいたわけではないと思います。生きるか死ぬかですから。しかしスマホのようなものはウクライナ軍は個人が保有していますので、【アゾフスタリ】が籠城戦に入ってから、その内部で仲間達と苦しい戦いを生きる中で、希望を失わない彼らの勇敢な姿を、写真や動画に撮って残しておきたいと願って、写真を撮るようになった人がいるのです。
【オレスト】さんの撮った写真の中で、
孤立無援の中、国の為に戦うウクライナ兵たちは、互いに治療を施し合い、声を掛け合い、労わり合っています。
食事を作るために起こした焚火を見つめる無数の兵士の姿。
当然疲れ果てた様子で言葉もない感じの人もいますし、
仲間と静かな声で言葉を交わしているような雰囲気を感じる写真もあります。
男性も女性もいて、彼らは本当に深い製鉄所の底でも、
戦闘の合間に、タバコを吸っていたり、一人クロスワードに没頭している兵士や、【オレスト】さんがカメラを向けると、その時はこっちを向いて、笑いかけてくれるような人もいます。
暗がりに瞳が輝いていて、笑いかけてくれるので、
「まだまだ俺は戦えるよ!」と言葉にせずとも
伝えて来てくれるような力強さを感じさせる人も映っています。
……過酷な状況下にあることは見間違いようもないのですが、
それは確かですが、でも地上で見ても変わらないような姿も同時にちゃんと映っているのです。
激しい砲撃を毎日受け続け、毎日仲間が負傷し、命を失っていく。
【オレスト】さんの写真がすごく胸を打つのは、
それでも彼の写真の中で、アゾフスタリに集まったウクライナ兵たちが他人に笑いかけたり、言葉を掛け合ったりすることを、失っていない様子が伝わって来るからなのです。
84日間を耐え抜いて、アゾフスタリは軍の命令で武器を捨て、投降し、ついに陥落しました。
【オレスト】さんは投降の前日、4分間の短編映画【アゾフスタリ 最後の1日】を撮影しました。
破壊され尽くしたアゾフスタリの様子を、最後に収めておいたという感じの短いもので、これで何を語ろうというわけではないと思います。
ただ、記録を残しておきたかったのではないかと。
「ここにいたんだ」ということを。
上記に書いた通り【アゾフスタリ】は個人の意志で陥落したわけではなく、これ以上戦うと全滅することになると判断した軍が、彼らに命じて武器を捨てさせ、計画的に投降させました。
そのため、恐らく「明日、我々は投降することになる」というような流れはあったのだと思います。
最後の夜にどんなことが話されたのか、
仲間たちの雰囲気などは、分かりません。彼らしか分からないことです。
まだ戦えるのにと思った人もいるかもしれませんし、
ようやく長い戦いが終わると安堵した人もいるかもしれませんし、
分かりません。様々な感情をそれぞれの人が持っていたでしょう。
【オレスト】さんは戦いの最中は仲間達を必死に撮っていましたが、
投降が決定した前日撮ったこの4分間の中では仲間達の輪から外れ、一人、【アゾフスタリ】そのものを映しました。
私には、【彼】との別れを最後に惜しんだようにも感じました。
仲間たちの勇敢な魂が確かにそこにあったことを忘れたくなくて、
自分たちが死んだら誰もそれを伝えられる人がいなくなるから、
証として仲間達を撮り始めたのではないかと思ったりもします。
同じように【アゾフスタリ】のことも、彼が84日間、多くの人間の命を内部に抱え込んだまま、敵の猛攻に耐えながら、ボロボロになりながらも最後まで崩れなかった姿を映しておきたかったのかなと。
【アゾフスタリ】は前にも書いた通り、南はアゾフ海に面しています。
地上を完全に敵に包囲され、地上軍からの砲撃は勿論、空からも爆撃を受けています。
恐ろしいことにこの製鉄所は黒海を占拠する敵艦隊の射程にすら捉えられており、海からの砲撃すら受けていたのです。
それを84日間も。
受け続けた場所だと思ってあの4分間の映像を見ると、
私などはむしろ「こんなに破壊されてるなんて……」というより、
「まだこんなに原型留めてんの!?💦」と思う驚きの方が余程大きいのです。
しかし元々この製鉄所はソ連時代核攻撃を想定された地下6階のシェルターを保有する形で建造されており、そもそも敵の攻撃に対して守りの拠点となるように作られていたのですね。
恐らく完全に包囲されていたので、こちらから打って出る戦いは全く出来なかったと思います。つまり戦い方としては【アゾフスタリ】を制圧しようと、敵部隊が前進して侵入して来た時にだけ、侵入して来た敵を攻撃する。そういう戦いになったのではないかと。
頭に思い浮かべてもらえば分かると思いますが、地上からのそういった制圧作戦を敵がやっている時は、敵の砲撃は基本的に止みます。
そらそうです。自分たちの軍が攻め込んでる場所に砲撃ぶち込んだらその部隊が吹っ飛びますからね。
つまり、【アゾフスタリ】側からすると、敵が制圧に侵入して来た時だけ反撃して敵を撃破すればよく、後はとにかく爆撃地獄を耐え切る、そういう耐久戦になっていたのではないかと推察出来ます。
つまり、アゾフスタリ製鉄所自身が敵の爆撃に耐え切れないほどであったら、自然と砦は崩落して、全滅させられていたわけです。
【アゾフスタリ】の防御力凄まじいです。
投降の前日、マリウポリには雨が降っていました。
曇る空も十分見えましたが、
人に降り注ぐ雨を凌ぐほどのものを、この時もまだ【アゾフスタリ】が有していることが私には驚きなのです。
投降すれば、自分の命はどうなるか分からない状態になります。
きちんと捕虜の扱いを遵守する国ならば手当や看病を受けられますが、
今回の敵は違います。人道的な道徳からは著しく欠けた相手です。
投降したからもう大丈夫だなどとは決して思えない相手であり、
拷問の末に処刑されるようなことも起きています。
つまり、投降したウクライナ兵は更なる厳しい戦いに赴くようなものなのです。
私はこの4分短編映画そのものより、
この動画をSNSに上げてから投降した【オレスト】さんが動画に添えたコメントが胸に突き刺さって号泣しました。
【守ってくれてありがとう
アゾフスタリ。
私の死と 生の場所】