• 現代ファンタジー

原文【異世界歴史⑤】セラスフィリア誕生~三代目召喚まで

原文。一つだけなのでこれで精査をおねがい
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セラスフィリア・グレッドガルド

グレッドガルド皇国の第一皇位継承者。
見目麗しく才能豊か。加護はないが魔術の才能に優れる。
魔術学院を首席で卒業。氷の系統の魔術が最も適性が高い。
軍属の魔術師と比べても戦闘能力は高い。
だが最も優れた才能は知性。
そしてその知性を完璧にコントロールする強固な自制心。
さらに人心掌握術。

・グレッドガルドの皇位継承権
生まれた段階では皇帝に近い血筋での優劣で番付。
だが、最終的には最も優秀な者の継承権が上がる。
しかし基本的には男子が就く。
女性が皇位に就くのは勇者と結婚した場合。
勇者との結婚が認められるのはその勇者が表に出せる功績がある時。


彼女は幼い時から5歳の時点では自分が最も優秀であることに気付いた。同時に殆どの人間が無能なだけでなく愚かであることも。
次に気付いたのは自国の腐敗。そして国の外も同じであること。

他の男系の皇位継承者は極端に無能だったわけではない。皇帝になってもその代だけならそれなりに保たせることは出来ただろう。しかしこの世界情勢ではあと数代の内にこの国だけでなく人類社会が壊滅的になると予測した。

そしてそれをどうにか出来る可能性があるのは自分だけだと認識した。
そこから3年ほど、主に政治や歴史の勉学に勤め自分が皇帝になる準備を始める。


まず彼女が目を付けたのは二代目が遺した「法律」の制度。
制度自体は残っているがだいぶ形骸化していた。
その理由は皇帝の権力が絶対であること。法で有罪と定めても皇帝が無罪だと言えばそうなるし、その逆もまた然り。
また強さこそが絶対という価値観もあり、法の管理などの職は閑職だった。

セラスフィリアは父である皇帝に、将来の勉強のために法務局を作り、自分もそこで勉強をさせて欲しいとねだる。もう少ししたら嫁入りの準備を始めなければならないので今の内に学びたいと。

皇帝はこの知性を持って女の身で生まれてしまった娘の不幸を思い、ワガママをきいてやることにした。

当時の法に関わる業務を行っていた部署を再編成し、法務局と定める。


・法務局
ここで働く者は基本的には貴族だ。しかし戦闘に役立つ才能や加護を持たずに生まれてきた所謂落ちこぼれ扱いの子女に与えておく仕事という意味合いが強かった。名家出身の者も少なくない。

セラスフィリアは彼ら彼女らに取り入る。最初は教えて欲しいと子供の顏で無邪気に近づき。そして彼らの知や仕事を褒める。そして少しずつ改善案や組織の動かし方を提案し、自らの知性も認めさせていく。
コンプレックスに塗れた者たちに、賢い第一皇女に認められているという「承認」を与える。そうして自身の狂信者を増やしていく。

法がどうなろうと結局は皇帝の決定が絶対なので特に誰もそれを気にしなかった。背伸びした皇女の遊びだと見ていた。その水面下で彼女は自分にだけ従う勢力を作り始める。


法務局で法を定め直し、それを取り締まるための警察組織を次に作った。
それらは最初は騎士に成り損なった者や、魔術学院を卒業したが望む職に就けなかった貴族の子女を集めた。実家に居場所がなく孤独で、強いコンプレックスを持った者は洗脳しやすい。彼女はそのことを理解していた。

法の決定権とそれを取り締まる権限を、形の上でだけだが彼女が持ったことになる。


彼女は次に自分の信者の有力な貴族を利用して、皇都内に移民の受け入れをするよう自分の名前を使わずに働きかける。

グレッドガルドの皇都は外周を強固な外壁で囲み、皇城は中心部にある。白の周囲は貴族街、その隣に商業区画、さらにその外側に一般市民の住宅地など。外周に近づくたびに貧しく治安が悪くなっていく。
その外壁のさらに外には各地から逃れてきた移民・難民が入国出来ないままキャンプ地を作り居座っていた。

聴こえのいい人道的な名目で彼らを外壁内側の一定区画に条件付きで受け入れる。
当然そこはスラム化した。
すると当然犯罪の発生率が上がる。
セラスフィリアはこれを新設した警察組織で取り締まり手柄とし、組織拡大につなげた。犯罪を見つけ捜査するだけでなく、皇都内を警邏する独自部隊としての性質もここで加える。組織の拡大と名声が上がったことで優秀な戦闘能力を持つ者たちを集めやすくもなった。

スラムと一般市民の区画とをもっと明確に区切るために、巨大な建造物を建てさせる。
皇都内に半要塞化したスアジアムのような物を建てて、ここを警邏隊の駐屯地兼、刑務所兼、処刑場とする。
10万人近くを収容できるサッカースタジアムのような建物。

これら一連の本当の目的は大量の犯罪者を手に入れることだった。
その過程で必要なものを合理的に効率的に手に入れていった形になる。


この頃、皇帝が病気になり政務に関われなくなる。
法を無視できる唯一の存在が半ばいなくなったようで。実質的にセラスフィリアに逆らえる者が存在しなくなった。

彼女は犯罪と裁きの制度に手を入れる。
犯罪を犯したらまず刑務所に入れられる。そこで裁判費用を払える者だけが罪の検証を受けられる。
これを払うことはスラムや一般の民は出来ないが、貴族や商人はそうでもない。逆に金さえ払えばミスを犯しても許されるという構図になる。
だから特に強い反対もなく通った。彼女の信奉者が増えていたことも影響している。


この次に彼女が狙ったのが奴隷制度の腐敗だ。
以前は奴隷商は国の認可を受けた商人だけが国とやりとりをすることになっていた。
しかし教会と商会が直接取引をするように変わったので。国が奴隷を入手するには教会と商会両方に高い金を払う必要があるというのに変わっていた。
おまけに賄賂さえ贈れば個人でも教会と取引が出来ていたので、奴隷ビジネスが同人化していた。
ただしこれらは秘密裏に行われていることになっているので、奴隷に関する現行法は残っている。

セラスフィリアは皇都内だけでなく、外の犯罪を取り締まることも出来るよう勢力を拡大していたので、ここからは奴隷商狩りを始める。山賊のように地方の村を襲い女を攫い教会に売る。このような犯罪者を捕え、同時に奴隷も手に入れた。
このあたりで国外にもセラスフィリアの存在が知られるようになる。

これには教会は表立って批判は出来ない。だが教会の利権に手をつけたことにはなる。
教会はセラスフィリアの近辺に監視者を送り込む。
それがエルフィーネだった。

エルフィーネは教会暗部に所属する暗殺シスターだ。50年ほど生きているハーフエルフで教義で洗脳された狂信者。暗部で独自に伝えている特殊な武術を極めた教会暗部の最終兵器。

彼女は教会が派遣したメイドという形でセラスフィリアの側付きになる。表向きは護衛役だが、実際は教会のスパイ。危険な天才皇女を監視し必要なら暗殺する任務だった。

セラスフィリアは全部知りながらエルフィーネを最も近い位置に置いた。そしてコンプレックスまみれの彼女の心に踏み入り、教会教義に上書きする形で洗脳。自身の狂信者に書き換えた。
その結果エルフィーネはグレッドガルドと教会のダブルスパイとなる。

セラスフィリアはエルフィーネの繋がりから教会暗部にコンタクトをとり、賄賂などで彼らを懐柔した。教会の最も危険なところから手なずけていった。

その時彼らに囁いたのが、
「自分は勇者召喚をするつもりで、皇帝の座に就く予定。その暁には今以上の支援を約束できる」
といった内容のこと。

犯罪者や奴隷を集めたのは召喚の生贄にするためだった。
教会が奴隷を半ば独占していたので手に入れづらくなっていたので、これらの目的を果たすことと自身の勢力拡大を全て同時に行った。


彼女の最も恐ろしいところは魔術の才能でも知能でもなく。最も高貴な血筋でもない。
それらを全て持ちながら自分は絶対的に特別な存在ではないと自制し。それ以上にあらゆる手段を冷徹に徹底的に尽くすことだった。

血の通わぬ合理性と効率主義。それを行える強靭なメンタル。
後の弥堂の人格形成のモデルが彼女だった。

これらをじっくりと時間をかけながら行い、召喚の準備が整ったのは彼女が14歳になった頃だった。

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ここまで問題なければ、次はセラスフィリアと近辺の人物について

2件のコメント

  • 精神面が特に似てるよなセラスと弥堂。自分を特別視しないところとか。多分違うのって弥堂は自分を特別視しないより自分含めた全てを無価値にしたところかな
  • 「死んだら死んだで終わり」の人と、「必ず成功させる」の責任がある人の違いでしょうか
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