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今日は少し、私の執筆についての悩み?というか、裏話をお話ししようと思います。
実は私、執筆においては割と、流行りに乗りたい!と思うタイプなんです。
例えば『空白の少女と錆びた英雄』は、最初は「主人公無双」を書こうとしていましたし、『星降るラストスタンド』は、いわゆる「溺愛スローライフ」を目指して書き始めたつもりでした。
でも、いざ書き始めて、主人公たちのバックボーンを深く考えていくと……。
「いや、こんな悲惨な過去があったら、この性格と矛盾するな」とか、「そもそもこんな凄い能力を持っていたら、最初からあんな境遇に陥らないだろ!」とか、自分の中で色々なツッコミどころが出てきてしまうんです。
そうやって主人公たちの性格や能力の筋道を丁寧に辿っていくと、どうしても最初の流行りのテンプレ通りに上手く描くことができなくなってしまって……。
結果として、『空白の少女と錆びた英雄』は「ダークファンタジー」に落ち着き、『星降るラストスタンド』は溺愛スローライフというより……なんていうんでしょうか? ただの「ファンタジー」に着地してしまいました。
さらに、ここからが今まさに直面している大きな壁なのですが……。
『空白の少女と錆びた英雄』の第二部からは、心を壊してうつ病になってしまった「もう一人の主人公」に視点を当てて物語が進んでいきます。
彼女の痛みに寄り添えば寄り添うほど、思考が一般的な「普通の考え方」からは大きく乖離していってしまい、「本当にこの心理描写で合っているのだろうか?」と、常に自分自身の疑問と葛藤しながら執筆を続けています。
そして『星降るラストスタンド』の方でも、大きな壁にぶつかっています。
一つは、「視覚と聴覚以外を失った主人公の描写」です。
私自身には五感があるので、触覚や味覚、嗅覚がない世界が「本当にそうなのか?」と想像と現実のギャップに悩み続けています。
もう一つは……ズバリ「お酒」です。
主人公が一日の終わりに酒場で飲むシーンがあるのですが、当初の構想では「実は酒癖が悪く、警戒心が解けてここが居場所だと思えるにつれて、段階的に酔っ払い要素を入れていく」予定でした。
そして今、まさに主人公が安心して酔える環境になったのですが……「酔っ払い視点を話者(一人称)にして書く」というのがとてつもなく難しくて!
この「酔っ払い視点」の何が難しいかというと「主人公の頭の中では、自分は極めて正常で理知的だと思っている」という点です。
本人のテンションも口調も、地の文、内面では全く狂っていません。大真面目なままです。
なのに、いざ行動や会話として出力されると、第三者から見れば明らかに異質でタチが悪い。
普段は警戒心が強くて優等生のように見えていた人の、見てはいけない裏の顔を垣間見てしまったかのような、そんなジワジワとした怖さやギャップを描きたいんです。
でも、物語は「酔っ払って正常だと思い込んでいる主人公の視点」で進むので、「私はいま酔って狂っている」とは絶対に書けません。
主人公は大真面目なまま、いかにして読者に「こいつ、完全に酔っ払ってヤバい状態だ!」と間接的に悟らせるか……。
この「内面と客観的現実のズレ」を一人称だけで表現するという壁に、今まさに全力でぶつかっています。
実は『星降るラストスタンド』の更新が遅れている理由の8割は、この「酔っ払い視点への移行」に苦戦しているからなんです。
予定していた路線からは大きく外れてしまいましたが、そうやって設定や深い心理状態と真剣に向き合い、キャラクター自身が自分の足で歩き出した結果生まれた物語だからこそ、作者としても愛着がひとしおです。
これからも、そんな彼らが自分たちの意志で切り開いていく行く末を、一緒に見守っていただけると嬉しいです!
引き続き、よろしくお願いいたします!