• 異世界ファンタジー
  • 創作論・評論

作者名が公開されましたので、少しだけ

 作者名が公開されましたので、『みどり児』について少しだけ。
https://kakuyomu.jp/works/2912051598792750843/episodes/2912051599055549982


 この作品で書きたかったのは、介護そのものというより、母子の立場が反転したときに、怒りを飲み込んできた人間の中で何が起きるのか、という部分でした。

 怒れない人は、怒りがないわけではありません。怒りを飲み込んだあと、それが別の形になって濁って残る。そういう生き方しかできなかった人間が、母に怒れない。怒れないから苦しい。その苦しさを、母子手帳がさらに反転させてくる。そこが、この話のいちばん奥にあったものです。

 表層の介護や中層の母子逆転は、ある程度一般論として置いています。けれど、その奥にある「怒れなさ」や「いい子でいるしかなかった感覚」は、少し滲んでいるかもしれません。

 そして、その“みどり”がどこから来たかというと、小松菜や豆苗でした。日常の買い物で目に入る、安価で身近な野菜です。そこから母子手帳へつながっていったので、ずいぶん生活感のある作品になりました(笑)

 なお、現実の母は存命で、頭もしっかりしています。転倒を機に「ワシは寝たきりになどならぬぞ」と、さっさとサービス付き住宅へ移った人です。なので、これは私小説ではなく、生活の中の実感を少し滲ませた創作です。

 読んでくださった皆さま、応援や感想をくださった皆さま、本当にありがとうございました。

2件のコメント

  •  第一層から第三層があって、読者がどこまで踏み込めるのか? 

     という実験でもあったと思います。概ねそれは成功していると思いました。
  • こちらは短編に登録した改稿版です。

    https://kakuyomu.jp/works/16818093082930293164/episodes/2912051601405347064
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する