魚になって眠る
僕は今日も笑い声をあげずに笑っていて
無表情のまま転げ回る
無機質さはどこまでも続いていく
懐かしい音楽が連れて行く過去
どこにもない思い出がにじむ
なくしたものは生まれては消える
本当に幻だったなら
何もないから何でもある
失うために手に入れている
何もかもぼやけていく
誰かの作った言葉が崩れていく
夜のように黒く染めるから
もう僕も誰も分からないね
会った事もない君が上書きされる
何も言わずに季節の花が散っていく
悲しくないのに心の中を風が吹き抜けて
偽りの気持ちが本物の顔をする
気がついたら崩れ落ちていく景色
大きな丸い目をした猫が何もしないでいる
夜を横断する電車を踏切が見送っている
冷凍した無人駅は誰も見向きもしない
そんな心地よい気配が好きだ
まるで夢のような淋しさを今夜も抱きしめる