「倉井さん、今回も2位なんて凄いじゃん!」
「んー、本当は1位取りたかったんだけどねぇ」
「でも、1位って雪入でしょ?無理だよ、あいつ天才だもん」
クラスメイトがそう笑う。
瞬間記憶能力、ギフテッドなんて言われるそれを持っている彼女は紛うことなき天才で、何度も、本当に何度も表彰されるところを見てきた。
小学生は読書感想文から自由研究。
中学生は小論文からビブリオバトルなどなど。
その類まれな記憶能力に頼るだけじゃなく、単純に。そう単純に雪入は頭が良い。
だけど。
雪入は天才だから倉井さんが負けるのは仕方がない。
そう思われているのは少し癪だ。
_______ああ、本当に面白くない。
戦う前から諦めているようなやつも、表彰されようが1位になろうが、まったく面白くなさそうな雪入も。
私は机の下でギュッと手を握った。
◆◆◆
「今回の中間テストはなんと雪入さんと倉井さんが満点で同率一位でした!」
その言葉に、隣の席の雪入の視線がこちらへ向く。
驚いたような、好奇心の含まれたその表情に、私はニヒルに笑みを浮かべてやる。
「ようやく目があったね」
私の言葉に目を丸くした雪入は、嬉しそうに目を輝かせて笑った。