(注)この文章に関しては完全に個人の責任で公開しており、カクヨム運営様や他の特別審査員の方々とは一切関係ありません。
私以外への問い合わせはご遠慮ください。
みなさま、はじめまして。
カクヨムコンテスト11(以下カクヨムコン11)現代アクション・異能バトル部門の特別審査員をしておりましたnullpovendmanと申します。
誰おまえ? なんで審査員なんてやってんの? って感じですので、自己紹介をしておきます。
第9回カクヨムWeb小説コンテストで最熱狂レビュー賞、カクヨムコンテスト10(以下カクヨムコン10)で読者賞を受賞した燃える一介の読み専です。
カクヨムコン10の読者賞は今回で言えばMVRの枠に近いものです。小説の賞ではなく受賞作を一番多く当てた人(同率1位などなら一番レビュー内容が良かった人)に送られる賞です。
カクヨムコン10では117作品へのレビューをして33受賞を当てているので的中数に関してはぶっちぎりだと思います。
数の暴力で勝っただけですが、ダンジョンも含まれていた頃の現代ファンタジー部門は受賞4作品全てを的中させていますので現代ファンタジーに関しての多少は目利きに自信を持っていいのかもしれません。
他の審査員と違い、もともとライトノベル関係の仕事としているわけではありませんでした。
昨年は縁あってライトノベル関係のお仕事をいただいたのでライトノベル書評系フリーライターと言えるかもしれません。
ライターや小説のお仕事は随時募集中です。レビューや書評が得意です。よろしくお願いいたします。
カクヨムコン11では、特別審査員として皆さんの個性が発揮されている作品を読ませていただきありがとうございました。
一番楽しんでいた読者だったと自負しています。
本作品は、カクヨムコン11現代アクション・異能バトル部門担当による該当部門の特別審査員枠選出理由一覧です。
結果発表後は公表可能ということだったので結果発表後に公開しています。
私の場合は上述の通り商業出版実績がなく、公式レビュワーを長くやっているわけでもなく、他のコンテストの特別審査員でもないということで、公表したほうが誠実だと考えているという理由から公開しています。
他の特別審査員の方が公表しないと判断された場合はその旨を尊重していただけますと幸いです。(そもそもアカウントを公開しているのが私と書籍化作家の方々だけなので、カクヨム上に公開する場所がないかもしれません。)
どの作品が特別審査員枠なのかはここで初めて公開されるかと思います。
以下の15作です。
・末期の一振り
・異能学園の模倣者
・404 Not Found:お探しの平穏は見つかりませんでした
・鬼喰う蛇~あやかしを喰う君のため僕は餌となろう~
・非情の魔人は迷わない~黒衣の祓い屋は何故に”最強”と称されたのか~
・ゲーマーズ・ゲーム! ――ゲーマー達のバトルロイヤル――
・グリム・グリモワール
・蒼の死神
・全てはエーテルに満ちた世界のために!
・異世界転生ロワイアル
・エミュレイター
・サイエンスの宝石
・ノーマンズ・コード
・宵闇の英雄【バガトゥイーリ】は紅き命を執行す
・魔道学園都市のイカロス〜超鋼鉄アンドロイドとそのマスターは学園魔道バトルを勝ち抜けるか〜
選出にあたり、要項を含めたすべてのルールを満たしたうえでアルゴリズム上「中間選考を通らなかった」すべての作品リストに目を通しました。
どの作品が要項を満たしていたのかは答えられません。心当たりのある方はあらためて要項を確認してみるといいかもしれません。
該当する全作品から面白さが伝わるところまで読んでスクリーニングしました。スクリーニングとして読んだ量は作品によって異なり、明らかに1話から面白ければ1話まで、ゆっくりと進むものは数十話~全部ですね。結果30~40作くらいが残ったので、精読してあらためて順位をつけたうえで前提や枠の数および個人的趣向を考えつつ決めました。
各レーベルの公募だとキレイに単行本1冊でいったん終わっている作品の方がいいとは思いますが、今回はカクヨムコンテストですので、キリのいいところまで行っていなくても気にせずに選びました。
ライブ感でのワクワクする感じ(瞬間風速の強さ)や感情がうまく動かされるといった点で面白いと感じられた作品を選んでいます。
統一したテーマを設けているわけではないですが、エンタメ性を重視するより、登場人物たちの感情を味わえるものが多く選ばれていることに気がつきました。
クソデカ感情を好む化け物による選出と思っていただければわかりやすいかと思います。
枠が20作なら、という作品も少なくはなかったですが今回の枠は15作程度だったので上記15作となりました。
20作なら通したであろう作品について、あなたは惜しくも16位でしたと言われても嫌だと思いますので個別にどの作品だったかは私は公表はしません。(他部門の審査員の方が公表している場合はありがたいことだと思います。)
ぐだぐだと前置きを書いてしまいましたがこの辺でおわりにして、さっそく15作品の良かったところを書いていきます。
悪かったところは書きません。
順番には特に意味はありません。作品概要・選出理由を書いた順です。
しっかりネタバレを書いているので、これから作品をまっさらな状態で読みたい方はお気をつけください。
1)
タイトル:末期の一振り
作者:夢空
URL:https://kakuyomu.jp/works/16816700427798545940
作品概要・選出理由:
専用武器による犯罪者vs警察のバトルものです。
末期の一振りという異能力を発揮する武器を強制的に装着させられてしまった少女と、彼女の指導を行うおじさんのW主人公で異能犯罪を取り締まっていきます。
末期の一振りといいつつ、能力を持った武器のバトルにおいて必ずしも剣や刀だけが出てくるわけではなく、意外な武器が強いところが楽しかったです。
修行回をきちんと楽しめるように描けているところがすごいと思いました。
伏線の回収も好きですね。
2)
タイトル:異能学園の模倣者
作者:@irori_
URL:https://kakuyomu.jp/works/822139842735148783
作品概要・選出理由:
学園ランキング戦ものです。
異能力を宿した学生たちが競うことを奨励される学園で、ランキング外で甘んじていたがゆえにバディを組んで成り上がっていくことになります。
他の人の能力を見た目だけ模倣する能力という、本当に役に立たなさそうな能力持ちゆえに学園ランキングの傍観者に徹していた少年は、それでもヒロインのためならと自分を変えて戦いに身を投じていきます。
徐々に強くなっていく少年漫画的な展開はアツさがあります。
3)
タイトル:404 Not Found:お探しの平穏は見つかりませんでした
作者:denden
URL:https://kakuyomu.jp/works/822139843721141579
作品概要・選出理由:
兵器として作られた少年が愛を知っていく物語です。
能力無効化能力者といえば異能力バトルでは最強になることが多いですね。本作の主人公である少年もまた、無効化能力を持っています。
最強の能力を持つ兵器たる主人公を人間にするのも現最強のコピー&記憶操作能力者のヒロインです。王道ながら最強コンビ双方に対して感情移入できて気持ちが動かされますし、無双部分の痛快さも期待を裏切りません。
404は主人公の名前というか管理番号で、主人公を曇らせる展開も意識したおしゃれのタイトルです。プログラミングをかじった人やインターネットにどっぷりつかっている人以外にはニュアンスが伝わりにくいかもしれません。
4)
タイトル:鬼喰う蛇~あやかしを喰う君のため僕は餌となろう~
作者:功野 涼し
URL:https://kakuyomu.jp/works/822139841200563376
作品概要・選出理由:
妖退治ものです。
主人公の能力がなんと「美味しい」という珍しいものです。
ラブコメっぽい雰囲気で主人公の特異性も戦闘向きではないのですがかなりシビアでダークな世界観にギャップを感じます。
バトルのカッコよさが良かったです。また、クーデレヒロインがかわいいと思います。
選んだ15作の中ではかなりラブコメ寄りです。
5)
タイトル:非情の魔人は迷わない~黒衣の祓い屋は何故に”最強”と称されたのか~
作者:南西北東
URL:https://kakuyomu.jp/works/822139840022615141
作品概要・選出理由:
ブラック労働をしている祓い屋の和風ダークファンタジーです。
ブラック労働で失った人間性の回復というドラマと、それでもなお祓い屋をやっているがゆえに訪れる別れのドラマに魅力があります。
作品を象徴するタイトルの回収シーンが好きです。
人を選ぶ展開という意味ではまさにダークファンタジーをやっていると思います。
6)
タイトル:ゲーマーズ・ゲーム! ――ゲーマー達のバトルロイヤル――
作者:吹井賢@『破滅の刑死者』重版感謝
URL:https://kakuyomu.jp/works/822139842024494278
作品概要・選出理由:
異能力バトルロイヤルものです。ゲームの能力を再現する、という縛りで異能力が発現します。
皆さんがよく知ったゲームのどの能力がどう活躍するのかが一つの見どころです。
プレイしていた世代の方は特に楽しめるのではないでしょうか。
それぞれの戦う動機が垣間見える群像劇的な部分に面白さがあります。
むしろそこが大トロです。巨大感情をパクパクしましょう。
最後に明かされる主人公の動機が意外ながら独自性があって良かったです。
7)
タイトル:グリム・グリモワール
作者:ぴすぴす
URL:https://kakuyomu.jp/works/16818622170359903108
作品概要・選出理由:
グリム童話を題材にしたバディバトルものです。
残酷でも魅力的なヒロインがとにかくいいですね。
赤ずきんと(他の作品で言うところの)王子様ポジションの存在がペアとなり、ニコイチで他の童話と戦っていくというものです。
とにかくヒロインたちの口が悪いです。スラングを連発、下ネタを連発、と人を選びますがよく知った童話の意外な使われ方やあまり知られていない童話の強さが面白かったです。
まさかの世界最強の童話が好きですね。
8)
タイトル:蒼の死神
作者:南雲ひざし
URL:https://kakuyomu.jp/works/822139841471840271
作品概要・選出理由:
妖怪の能力をもった殺し屋ものです。GL(ガールズラブ)です。
リスクのある呪いによって悠久の時を裏で生きるしかない女主人公は、やがてロミオとジュリエットのような立場だと知らずに恋をする相手や、似た境遇の少女と運命の出会いをします。
対立していることを知らないまま惹かれあうGLロマンスの部分や、文体とマッチした雰囲気が良かったです。
妖怪にとりつかれ、無限に生きる代わりに対価として殺しが必要というヒロインが心を溶かしていく様子のドラマに魅力があります。
9)
タイトル:全てはエーテルに満ちた世界のために!
作者:思不見 昂
URL:https://kakuyomu.jp/works/822139840530019926
作品概要・選出理由:
悪の組織の隊員ものです。
悪の組織あるあるみたいなことをやりつつも王道から外れた展開となり、予想を外した進み方をします。
序盤の掛け合いの面白さが特にいいですね。生き生きとしています。
ご飯描写にもこだわりを感じます。
今回の応募作には侵攻してきた異世界側と全面協調する感じのローファンタジー作品が意外になかったのでそういった意味でも新鮮さがあったかもしれません。
10)
タイトル:異世界転生ロワイアル
作者:沢本新
URL:現在は非公開
作品概要・選出理由:
異能力デスゲームものです。
異世界転生オタクが異能力バトルの観客兼オタクのロマンである軍師ポジションとして活躍します。軍師系主人公はそこそこあった中で、本作は軍師としての賢さの納得感や、サポートを受ける「主人公」ポジションの少女らが魅力的な点が良かったです。
異世界転生あるあるには爆笑しました。
11)
タイトル:エミュレイター
作者:雨降り人間
URL:https://kakuyomu.jp/works/822139841302560170
作品概要・選出理由:
人間のために戦う防衛隊員による怪物とのバトルものです。
今はシンプルなタイトルですが、期間中は『エミュレイター/超能力者たちの日常』というタイトルでした。
防衛隊員は超能力を持った人ではありますが、種族的には人間とは別物というのが珍しい設定です。
義務、差別、虐待などシビアな世界観すらプレイ日記かのように淡々と語られます。クール系(に読める)主人公の少女が日々をこなす中で成長していく様子を感じられる点が面白いと感じました。
案外容赦なく登場人物が死んでいき、それでも日常は回さないといけないという悲哀と、学生ゆえの勉強の悩みや友情、どちらも同じくらいの比重になっているあたりの感性が学生の一人称らしくて好みです。
賞を取れそうかどうかということとは別枠で、今回読んだすべての作品の中で一番の推し作品です。
12)
タイトル:サイエンスの宝石
作者:@Hamasho72
URL:現在は非公開
作品概要・選出理由:
異能力ありのクラス対抗実力主義学園ものです。
個人ポイント不足で即死亡! 月末に最下位クラスに属していたらクラス全員即死亡! というデス学園でのポイントの奪い合いと、別枠で侵略を受けている世界の危機という二軸のバトルがあります。
主人公たちのハイスペックさと人並みの悩みで苦しんでいる人間味のギャップが好きですね。
主人公の属性はどれだけ盛ってもいいというのがライトノベルやWEB小説のいいところだと思います。
高校生でノーベル賞を取れる天才がいてもいいし、世界最強クラスの武力を持っていてもいいですからね。
異能力バトルと主人公曇らせがメインなのでクラス対抗戦はサブのストーリーなのですが、頭脳戦で圧勝するところが好きです。もっと読みたいと思いました。
13)
タイトル:ノーマンズ・コード
作者:海月深 瑛
URL:https://kakuyomu.jp/works/16818792436097567937
作品概要・選出理由:異能力犯罪を取り締まるバトルものです。
野良で正義を執行していた主人公が組織に所属して異能力犯罪と戦っていきます。
異能力がない主人公による頭脳戦などが魅力的です。
直球で「正義とは何か?」というテーマをやっているため、主人公の正義が揺らいでいくのも面白い点かと思います。
やっぱり主人公は曇らせていきたいですよね!
14)
タイトル:宵闇の英雄【バガトゥイーリ】は紅き命を執行す
作者:ペン子
URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093088757033664
作品概要・選出理由:ロシアの特殊部隊で活躍するコサックの半生を描いた、特殊部隊のイケオジ無双ものです。
銃や剣、体術でのアクションです。異能力はありません。
スパイものとして残酷さを持ったその強さ・カッコよさを読むアクション小説でもあると思いますし、コサックを主人公とした仮想戦記的な読み方もできます。
ロシアの特殊部隊もコサックもめちゃくちゃ親日な点にライトノベルっぽさを感じて良かったです。
15)
タイトル:魔道学園都市のイカロス〜超鋼鉄アンドロイドとそのマスターは学園魔道バトルを勝ち抜けるか〜
作者:みやこ
URL:https://kakuyomu.jp/works/822139842332564635
作品概要・選出理由:学園ランキング戦もの……と見せかけてそうではない、ライトノベルらしい(?)破天荒さのある作品です。
こういう「何でもあり」みたいな作品が好きなんですよね。私が特別審査員をやるからには選びたいと思った作品でした。
ハイテンションでハチャメチャな展開が綱渡りなプロットに見えて、きちんと着地を見据えて動いているところが面白いです。
イカロスをはじめとした設定は神話に詳しいと特に面白いと思いますが、イカロスの翼がアンドロイドな理由は神話に詳しくてもたぶんわからないのでそういう点では独自色が強くて好きですね。
以上が選出した作品とその理由です。
ご覧いただきありがとうございました。
なお、全体の講評は編集部のものが結果発表で公表されておりますので、
特別審査員として個別に部門に対する講評を書くことは致しません。
改めての注意となりますが、本作について、私以外への問い合わせはご遠慮ください。
また、上記以外の個別の作品への講評依頼はご対応いたしかねますので、ご配慮のほどお願いいたします。
それでは、皆様のカクヨムライフが良いものになりますように。
(了)
2026年5月31日追記:一部作者名を更新時点のものに修正。非公開となっている作品のURLを削除し現在非公開の旨に変更。