10万字を超えた「快刀ディクショナリー〜三文字学園潜入編〜」も、ついに終わりが見えてきました。そこでこの近況ノートでは、作品の宣伝代わりに、本来描きたかった学園ラブ&コメディの一コマを置かせていただきます!
なお、本作を知らない方へのアナウンスでありますが、本作の登場するキャラクターは、すべて四字熟語もしくは三字熟語で、辞書の中の世界が舞台となっております。いわゆる擬人化です。あしからずご了承くださいませ。
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❦❦タイトル「長兄の憂鬱」❦❦
【千変万化】ことバンの変身能力により、可愛らしいうさぎのぬいぐるみに変えられてしまった、【一】族の戦闘語句――【一騎当千】。次の満月の夜まで、うさぎのぬいぐるみのまま過ごさなければならないトウだったが……。
――朝。【一】族揃っての朝食会場にて。
「――くそぉおお! 今日もまたぬいぐるみのままではないかああああ!!」
トウが悔しさを胸に、見た目可愛いうさぎのぬいぐるみで、豪快に白米をかき込む。その様子を、【一】族の長兄――【一期一会】ことイチゴは、半ば呆れ気味に圧倒されているが、何も言わない。
――昼。鍛錬場にて。
「――くそぉおお! こんな見た目では、鍛錬もままならぬではないかああああ!!」
ぬいぐるみのトウが豪快に落ち込む。
「それもこれもすべては万化殿のせいぞ! 万化殿より強く! 万化殿さえ圧倒できれば――!」
それからずっと、「万化殿、万化殿」と恨みを募らせる、トウ。ついに我慢の限界を迎え、バンを討ちに向かうトウだったが。
――夜。【一期一会】との会食にて。
「――兄上、万化殿は素晴らしい語句ですぞ! いつもは気だるげで怠惰な関西弁眼鏡でありますが、たまに見せる覇気が、兵(つわもの)の器としての矜持を示すのですぞ! これが"ぎゃっぷ萌え”というものなのでありましょうなあ――!!」
それからずっと、口を開けばバンを称賛する、トウ。それはベッドに入ってからも続き――。
「兄上! 今宵は万化殿の夢を見られそうですぞ!!」
ライバルに陶酔する弟。それにうんざりする長兄。煌めく瞳を燦々と輝かせながら興奮するうさぎのぬいぐるみに、イチゴが一言だけ訓する。
「……もう寝なさい、トウ」
その晩、うさぎのぬいぐるみの隣で眠るイチゴが、ニヨニヨ笑うバンの夢に魘されるは……残当――!!!
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今回の出演
トウ……【一騎当千】/【一】族 戦闘語句
イチゴ……【一期一会】/【一】族 長兄
バン……【千変万化】/校務員/探偵
こんな奴らが探偵/統監(警察)として学園に潜入しております!
「快刀ディクショナリー〜三文字学園潜入編〜」
https://kakuyomu.jp/works/16818622171196266210