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第三部終了!ハッチの思い出と物語の立ち位置

こんにちは!ネコガタリ ミミです。
今回は第三部の第十二章(最終章)を更新しました。

やっと第三部が終わりました!
いつまで続くのかと自分でも心配しておりましたが、なんとか無事に(?)まさが捕獲されて良かったです笑

今日は少しハッチについて話したいと思います。
まさを慕うハッチは、冒険猫と夢で出会い、まさに異世界の話を伝える重要な役割を持つハチワレの子猫ですが、実は実際に私はもうハッチとは会えません。
ある日を境に突然いなくなってしまったのです。今でも思い返すと、辛くて悲しくて、ずっとハッチのことを案じています。
ハッチはやんちゃな坊やでしたが、物語でも描いた通り、ハナクロ母さんの言うことをよく聞く聡い子でした。

その日、私達は猫の活動が活発になる夕暮れの時間帯に餌やりに行きました。しかしこれが仇となりました。夕方は散歩をする人達も多くなるのです。要するに人の目につきやすくなるということです。
当時、銀の森コロニーではTNR活動が本格化していなかったため、餌やりに対する風当たりが強く、無責任な餌やりをするなという空気が濃かった時期でした。
それでもお腹を空かせた猫達を放ってはおけません。無視する方が私にとっては苦痛でした。いつも猫達にご飯と水を配り、サッと片付けて撤収するのですが、その日は長居をし過ぎました。
日がかなり傾いてきたころ、突然背の高い老人に叱られたのです。餌やりさんなら似たようなことを経験した人は多いでしょう。ましてや女性なら尚更。暗くなってきている中で、大きな男性に面と向かって叱られるのは多くの女性にとって怖い体験になると思います。
「私達、ここを掃除して帰りたいので、失礼します」と言って、食べ残しを片付け、老人がいなくなったのを確認してから私達は家へ帰りました。
私達にとっては猫は、人も同じ尊い命であり、困っているのなら救いの手を差し伸べるべき生き物ですが、大多数の人間にとって野良猫は人より下等な生き物であり、餓死しようと病気になろうとどうでもいい虫ケラ(虫に失礼ですが)なのです。この老人にとってもそうでした。
ふつふつと怒りが込み上げましたが、私が怒らなかったのは猫達を人質(猫質?)に取られているからです。ここで反感を買って、酷い目に遭うのは私ではなく、猫達です。

ハッチの姿を見たのはこの時が最後となりました。
それから数日後、またコロニーへ行くとハッチはいなくなっていました。ハナクロだけがヨリメといました。
その男性のせいなのか、それとも別の何かがあったのかはわかりません。
たまたまこのタイミングで、ボランティアの人がハッチだけを保護した可能性もあります。今までも子猫だけがごっそり消え去ることは多く、地域猫活動の現場では優先的に子猫や病気の猫が保護されるので、ハッチも保護されたのかもしれません。
ハッチを自分で保護しなかった私が、そうであるようにと祈るのは、おこがましいのですが、やはりそう祈らずにはいられません。
ハッチを忘れたことはありません。どこかであの子が優しい人の家でぬくぬくと過ごしていますようにといつも祈ってきました。

ハッチを物語に登場させることは早くから決めていました。せめて物語の中でいいから、元気で可愛いハッチに会いたかったのです。
これからもハッチをたくさん活躍させたいと思ってますので、私のおこがましい願いに引き続きお付き合いいただけたらと思います。


次に物語の立ち位置について、改めて書いておきたいなと思い立ちました。
最近またラヴクラフトやウィアードテイルズ(ラヴクラフトが作品を発表していた機関誌)のメンバーの作品を読み返しているのですが、やっぱりコズミックホラー(直訳すると宇宙的恐怖)はいいなと改めて思っています。
ラヴクラフトの、時に批判される古色蒼然とした文体も私は嫌いじゃありません。
でも、しかし、私は児童・YA (ヤングアダルトの略:ティーン向けの小説などを指す)文学もやりたいのです。彼のような古めかしい文体は明らかに猫が主役のファンタジーには不向きだろうし、私は彼や他の著者を真似したいわけではありません。
普通、クトゥルフ神話物を書く人は本格的なホラーや大人向けの幻想小説を書く人がほとんどだと思うので、私がやっていることはかなり異端なのだろうと思います。
でも別に小学校高学年くらいの児童以上が読める、猫が主人公のクトゥルフ物があっても良いんじゃないかと思います。
そんなわけで、王道のクトゥルフテイストに引きずられ過ぎないよう、私らしく続きも書いて行けたらと思います。

次回は、久しぶりに也乃子さんが帰って来ます。ににファミリーの様子もしっかり描く予定です。
攫われてしまった(実際には保護された)まさと、彼女達の運命がどう絡むのか…お楽しみに〜!
物語の前半部分が大きく展開する辺りに、ほんの少し差し掛かり始めました。
はい…そうです。まだまだです。実際の冒険にはまだ出られません笑
時間はかかりますが、一歩一歩進んで行きたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。

師走に入り、何となくバタバタしておりますが、皆さまお身体にお気をつけてお過ごしくださいね!
また来週〜!

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