いつも『銀漢の入鹿』をご愛読いただき、ありがとうございます。
物語は序盤のハイライト、第二話・第三話の一気読みがおすすめです。
■ 第二話:雨の宿営地、揺らぐ蘇我の掟
五月雨に煙る阿騎野の宿営地。
一族の長・毛人は、誰よりも息子、鞍作(入鹿)を溺愛していました。
しかし、その溺愛ゆえに突きつけられる「蘇我の掟」と、逃れられぬ婚姻の宿命。
完璧な御曹司であった鞍作の心が、初めて波立ち、掟を破る予感に震えます。
■ 第三話:百済姪娘、怪物の産声
ここで、物語の悲劇性を決定づける「真の怪物」が姿を現します。
鞍作が対峙するのは、弟媛の母、百済姪娘。
「乙女でした」
実の娘を検品し、権力の駒として「白檀の毒」を刷り込むその手口。
女の皮を被ったサイコパスな彼女の存在が、高潔な鞍作を、そして若き恋人たちの運命を、音を立てて破壊し始めます。
■ そして、明後日の早朝――第四話「婚儀の評定」へ
この毒が、ついに最悪の惨劇を引き起こします。
姪娘が仕掛ける、歴史上最も残酷な「蹂躙」。
愛する者を奪われ、闇の中で復讐の鬼と化す日向。
この「地獄の夜」の幕が開く前に、ぜひ二話・三話でこの物語の「底知れぬ深淵」を覗いておいてください。