しばらく置いたままにしていた作品が、ふと動いていました。
『量子力学女子が般若心経を解読した』の一話完結番外編、
「女房たちは法華経をどう受け取っていたか」が、
カクヨムの「歴史・時代・伝奇ランキング」で247位に入っていました。
読んでくださった方、本当にありがとうございます。
ただ、少し不思議でもあります。
この作品は、いわゆる「伝奇」を書こうと思って書いたものではありません。
怪異や妖しさを描くというより、平安の女房たちが、法華経という言葉をどのように受け取り、自分たちの生や苦しみ、願いに重ねていたのか。
そこを、現代の感覚と、少しだけ量子力学的な視点を交えながら書いたものです。
だから、カクヨムの分類では「歴史・時代・伝奇」になるのかもしれませんが、作者としては、これはむしろ「女たちの読解の物語」だと思っています。
平安文学の奥には、きらびやかな宮廷文化だけではなく、声にならなかった女たちの祈りや、言葉にできなかった問いがある。
法華経は、そんな女房たちにとって、ただの経典ではなく、「自分もこのままで救われるのか」と問いかける鏡だったのではないか。
そんなことを考えながら書きました。
ジャンルの棚には、うまく収まりきらない作品かもしれません。
けれど、だからこそ、どこかで誰かの目に止まったのなら、それはとてもうれしいことです。
作品というものは、作者が見ていないところで、静かに息をしているのかもしれません。
ランキングに入っていたことに驚きながらも、
「ああ、この作品もまだ生きていたんだな」と感じました。
読んでくださった皆さまに、心から感謝します。