『断弦戦線』に登場する日本の国家機関「神祇統括室《じんぎとうかつしつ》」——通称、祇庁。この設定が、書いていていちばんニヤニヤする箱です。
史実として、明治政府は1869年に神祇官を最高官庁として復活させ、すぐに神祇省に降格、その後も神社局・神祇院と名前を変えながら1945年まで続いていきます。戦後、GHQの神道指令で1946年2月2日付で廃止——ここまでは史実。本作ではその翌日、1946年2月3日に元職員12名が内閣官房の戦災復興室に偽装登記して非公式に継承した、という補助線を一本だけ引いています。
表向きは皇室祭祀補佐、実態は全国の神社・霊山に埋設された結界網の維持。職員は黒スーツの下に白衣または狩衣を着込んでいて、現場では表服を脱いで装束に転じる。CORDが「観測のフレームワーク」なら、神祇統括室は「国土インフラ」。攻めと守り、科学と祭祀、民間と官僚の二元体制です。
この箱を深掘りする単独作品、いつか必ず書きます。白晶班の灼晶軍事化の話、第四部史誌部のアーキビストの話、戦後地下時代の話——単独で一本の長編が書ける部屋がいくつも眠っています。好きな方、ぜひコメントください。どこから書くか、本気で悩んでいるので、参考にさせていただきます。