• 異世界ファンタジー
  • エッセイ・ノンフィクション

某名探偵という死神が出てきそうな展開

すごいよね、あんな長く続けられるくらいトリック思いつくの。
絵はアリウス=シュレーゲルとその弟弟子のヴェザリーヌ=ハウツシュトラーゼ。彼女はミハエルの家庭教師でもあった。
プレビュー↓


みながくつろぎ始めたその時、突然、執務室の扉が勢いよく開かれた。
「ごめーんリディアさん助けてー!」
天馬蒼依が息を切らして飛び込んできた。ミニ巫女装束の裾をひらひらさせながら、茶色の瞳を大きく見開いている。
「なになに? どうしたのよ、蒼依ちゃん」
リディアは眉をひそめながらも、慣れた様子で尋ねた。天馬蒼依の登場は、いつも何かしらの騒動を意味していた。
「あれ、ミハエルさんもいる。なに? 浮気?」
蒼依が部屋の隅にいたミハエルを指さした。ミハエルは書架の前で古い書物を手に取っていたところだった。
「違うわアホ。たまたま資料を探しに来ただけだ」
ミハエル=シュピーゲル=フォン=フリードリヒは呆れたように肩をすくめた。金色のアラベスク模様が入った黒い外套が、優雅に揺れた。
「ふーん、それでさー」
天馬蒼依が話し始めた。どうやら彼女はある家の幽霊騒ぎを鎮めて欲しいと依頼を受けたが、自分たちの手に余るらしい。
「あなた、水鏡冬華さんに鍛えられてルシファーの強さ超えたって話題になってなかったっけ?」
リディアが鋭く突っ込むと、蒼依はむっとして頬を膨らませた。
「ルシファーなんて霊波動一定以上修めた奴なら誰でも強さ自体は超えてるからいいの!  そうじゃなくってね。頭脳が足りないの!  謎解けないのよ!」
「あー、推理……」
クロディーヌが小声で呟いた。彼女の赤い瞳には興味が灯っている。
天馬蒼依の説明によると、問題の家では奇妙な現象が起きているという。
家の中にいると、みんな見えない手で5秒に1回突き飛ばされ続けるのだ。
突き飛ばす力は3歳児が上半身でぶつかってきた程度で、殺傷能力はないが、予測できない見えない攻撃のため精神的に参ってしまう。不意打ちを食らえば転倒する可能性もある。
さらに、木でできたマネキン人形が生活しているような姿勢で置かれているが、目を離した瞬間に動いている。
そして何より不気味なのは、天井に死体があるらしいという噂だ。
「らしい、ってところがまた厄介なのよ!  確認しようとしても何もないの!  でも住民は確かに死体を見たって言うんだから!」
蒼依は熱心に身振り手振りを交えて説明する。彼女の黒い姫カットの髪が激しい動きに合わせて揺れていた。
その時、執務室の扉が再び開き、アン=ローレン、ユーナ=ショーペンハウアー、ガートルード=キャボットが現れた。
「おや、騒がしいなと思ったら、蒼依がまた何かやらかしたのかなー?」
アンが銀色の長い髪を揺らしながら笑った。エメラルドグリーンの服が彼女のアスレチックな体型にぴったりとフィットしている。
「やらかしたんじゃないの!  困ってるの!」
蒼依がむきになって反論する。
「幽霊騒ぎですか?  面白そうですね」
ユーナが水色の長い髪を整えながら興味深そうに言った。彼女のセーラースタイルの服が、好奇心旺盛な性格をよく表していた。
「霊的な現象なら、ヒーリング魔法が役立つかもしれませんね」
ガートルードが小声で提案した。銀白色の短い髪とマゼンタの瞳が、神秘的な雰囲気を醸し出している。
突然、窓の外から黒い影が舞い降りた。ブラックヴァルキリー・カーラだった。漆黒の翼をたたみながら、彼女は窓枠に優雅に腰を下ろした。
「下界の人間の騒動、面白そうだな。幽霊話だと?」
カーラの黄金の瞳が興味深そうに輝いた。ゴールドのアクセントが効いた黒のアーマーが、窓からの光を反射している。
ミハエルは一同を見渡し、少し考え込むような表情を浮かべた。
「ふむ……確かに興味深い話だ。単なる幽霊騒ぎならともかく、規則的な間隔での物理的干渉と、動くマネキン人形……そして天井の死体の噂か」

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する