5月の末、まだ皐月というのに既に30℃に達しつつある南国の空には梅雨の気配すらなく、既に夏が来始めているのだと錯覚するほど大きく発達した積乱雲が空の塔のように白くそびえ立っています。
本来平日である今日は特別なことに、訳あって私だけ休みとなっていることに気づかない太陽は燦々と地面をまだ暖かく撫でつけています。
平日とはいえ、堂々と休みの権利を行使するには絶好の気分。頭のなかには今日一日をどう過ごすかで一杯でした。
あんな事をしようか、こんな事をしようか、キラキラと輝く夢で満ち溢れた脳内はいつまでたっても情報が生み出されていきます。
そんなとき、携帯に一つの連絡がかかってきました。
こんな素敵な日になんだろう、と思いつつメールを開くと、そこには友達からの誘いがありました。
迷うことなく家を飛び出した私は、とてもワクワクしていました。
まるで冒険の始まりのようで、とても惹かれるこの誘い。今日はこれから何が待っているのか。そう考えるだけでも胸が躍りました。
この時期には本当ならまだ早い半袖半ズボンに、小さなカバンを肩に掛け自転車に跨りペダルを漕ぎ始めました。
カバンの中にはスマホと水筒、財布とお菓子を詰め込んで。
希望は常に僕のそばに。
木々のざわめき、澄み渡るような青草の匂い、袖から入り、身体を抜けていく涼しい風、全てがこのために用意されているかのように感じました。
空を見ると、まるで梅雨などどこにもないんだぞ、と言わんばかりにそびえ立つ積乱雲。もしかしたらあの長く続く雨雲は彼が隠していってしまったのでしょうか。
それともこの暑さで溶けてしまったのかもしれません。もしかしたらそれがあの道路に揺らめく陽炎なのかも。
そんな事を考えていると、最初の友達と合流しました。
彼も本来今日は学校ですが、私と同じように訳あって今日は休みのようです。
田舎にはよくある少し大きな公園のトイレの前で二人で話していると、ふとまだ今よりも小さかった頃にしていたことを思い出していました。
そこから私は迷いなく木の柱をつかみ、屋根の上へと登りました。
友達は高いところが苦手なのか、そのまま下にいながらしばらく話をしていました。
屋根の上で寝転びながら上をみていると、なんだか心が落ち着きます。
流れる風の音、すぐそこにある樹の下の落ち葉の匂い、普段画面ばかり見ている私にとって新鮮な、回帰したかのように感じられるほど身近となった自然に浸りつつ空を眺めます。
もう夏と言っていいのではないかと言えるほどに真っ青な空には大きな積乱雲が。太陽まで届かんとばかりに伸びるその舳先から伸びる雲の影が、まるで天使の梯子の裏をみているようだなと思いました。
少しして、もう一人の友達が来ると私の心は再び少年のように輝き始めました。
追記
変な話ですが最後に更新したのがいつかわからなくなりました。
なので明日更新します。