本日、「異世界ハーフの仕立て士見習いですが、なぜか若君の胃袋を掴んだようです」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889459314第60話 買い物 を投稿しました。
若君~、今度こそ本当にデートだよ!
三度目の正直です、はい。
異世界ハーフ~、残り3話です。
さて、裏はどうしましょうか。
少しさかのぼって第52話と第53話の間にしましょうか。
他者視点OKでご興味のある方はどうぞ。
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テイバー視点
頭の中がぐらぐらと揺れる。
ネアーガが外に出ようとしてるのだろうか。
「菜々……」
タオルを水で濡らし、丁寧に彼女の血をぬぐっていく。
見る見るうちにレシュールにやられた傷はふさがっていくが、それでもかなりの出血で顔が青白い。
「ごめんな。すぐに助けられなくて」
顔にまで傷がついている。
僕はその傷に口づけ、額に口づけ、最後に唇に口づけ、もう一度彼女の名前を呼んだ。
彼女は僕を見ることが出来ない。でもウィルをこちらに連れてくることが出来た今なら、多分……
「うっ!」
一瞬タキに戻り、もう一度テイバーに戻る。
荒く息をついたあと、深呼吸をした。
この子を守る以外、人の手で菜々に触れることはほぼできない。
「ウィル」
側に倒れたままの半身、ウィルフレッドに呼びかけたが、全く反応がない。
日本のほうが暑いから、上着を脱がせて健人のベッドに寝かせ、エアコンをつけた。
もう一人の自分とはいえ、今日はこいつに腹が立ってる。
やっと、やっと想いが通じそうなのに、なんてことをしやがったんだ。
菜々を泣かせるなんて、一番したくないことなのに!
ウィルを覆う呪いの力は今はない。
もしあのまま菜々に助けてもらえなかったら、ウィルは消えていたかもしれない。
そう思うと、無事でよかったこと。でも菜々が犠牲になったこと。自分の体が不安定なことで考えがまとまらない。
気を抜くとあっという間に猫の姿になる。
体が砕け散りそうだ。
もうすぐ美鈴が来てくれる。
そしたら、僕のことは適当にごまかしてもらって向こうで休もう。
明日。
そう。明日になったらきっと何もかも打ち明けられるはずだ。
「菜々。愛してるよ」
もう人の手で君に触れられないことも、僕の言葉を伝えられないことも、全てが限界を超えてるんだ。
明日にはきっと、君に直接言えることを信じてる。