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嫁力SS 『結婚初夜』 試し読み

 生意気かもしれないけど、社会人1年目の6月に、俺はひよりと結婚をした。

 俺もひよりも、そんなに派手な趣味はないし、まだ社会人になりたてで貯金も乏しいから、身内だけの質素なモノにしようかとも思っていたけど。

 やっぱり、今まで多くの人たちに助けられて、俺たちは結ばれた訳だし。

 何よりも、愛する大切な嫁との結婚式だから、盛大に上げた。

 その後、2次会、3次会と盛り上がり、アパートに帰って来たのが夜の11時頃だった。

 俺は酒は割と強い方だけど、今日はさすがに酔ってしまった。

「秀次さん、お水どうぞ」

「ああ、ありがとう、ひより」

 受け取ったコップの水を、くいと飲み干す。

「……はぁ~」

「今日はお疲れ様でした」

「ひよりこそ、お疲れ様。こんな時間まで、疲れただろ?」

「いえ、そんなことないです。とても、幸せな気持ちですから」

「そうか……俺もだよ」

 お互いに、少し照れてしまう。

「秀次さん、お風呂入りませんか?」

「え? ああ、そうだな。汗をかいたし。ひより、先に入るか? ドレス姿、きれいだったけど、重くて疲れただろ?」

「いえ、その……秀次さんと一緒に入りたいです」

「えっ……あ、ああ、そうだね。その方が……時間の効率も良いし」

「はい……」


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