僕が小説を書き始めたきっかけは、あさのあつこさんの『バッテリー』を読んだことです。
その素晴らしい文章力に感動し、僕もこんな文章を書きたいと思いました。
野球少年だったので、パワプロ系のサイトを回っていました。
その内、パワプロの2次創作系で有名な小説サイトに行きつき。
そこで野球小説を書いてスカウトされて連載陣に加わりました。
中学生の頃です。
高校生になると、ギターに熱中して小説から離れましたが。
大学3年の就活時期にまた小説を書き始めました。
その際に刺激を受けたのが、『変態王子と笑わない猫。』のさがら総さんです。
僕は今までいろんな人の作品を読んで来ましたが。
僕が唯一、すごく嫉妬したのがさがらさんです。
当時の僕は、とにかく上手い文章、上手い描写をすることに全力だったので。
さがらさんの圧倒的な描写センスに舌を巻いていました。
何でこんな表現が出来るのだと。
また、東川篤哉さん、森見登美彦さんの作品が大好きになった僕でした。
それから、数年の時が経って。
僕の文章の書き方は変わりました。
昔は、1つのセンテンスを書くのに1時間をかけたこともありました。
とにかく描写にこだわっていたので。
けど、今はサササー、と書いています。
◯◯が言った。言った。言った。
を連発しまくっています。
描写よりもストーリー重視、というかキャラ重視になりました。
だから正直、今は文章レベルを結構下げて書いています。
そうしたら、アクセスが伸びて中々の人気作家になれました。
昔は『文章力が圧倒的』と褒めてもらっていましたが。
今はとにかく軽く、軽く、現代の読者に読みやすいように書いています。
一つ勘違いして欲しくないのが、決して今の読者がバカと言っている訳ではありません。
今の人たちは、昔の人ほど文章に触れる機会が少ないので。
あるいは、本を読む機会が少ないので。
総じて文章を読んで味わう訓練がなされていないだけ。
つまりは、そういう時代なのです。
だから、僕はその時代に合わせた書き方に変えました。
それは決して苦ではなく、むしろ今までの僕とは比べ物にならないくらい、多くの読者様に読んでいただけること、本当に嬉しく思っています。
けどいつかまた、出来たら文章凝りまくりの作品を書いてみたいです。
でも、ラノベでそれをやったら何だか滑ったみたいな空気になるから、やりませんけど(笑)
僕が好きな作家は篤哉さんと登美彦さん。
僕が嫉妬した作家さんはさがらさん。
そして、僕の心の師匠はあさのあつこさん。
たぶん、これは一生変わることはないでしょう。