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「介錯」完成と御礼、そして素敵な出会いについて

「介錯」、完成しました。年末年始の休みを執筆に費やす勢いです。他にやることいっぱいあるのに……。私は大馬鹿者ですよ。


さて、この「介錯」は、サナトリウムや病院で死を待つ者と、そんな彼らの遺言ともつかないような言葉を書き留める男の物語です。お察しの通り、大正時代の文学を意識し、「風立ちぬ」に大きな影響を受けております。

雷蔵にとって、「別れ」や「死」、そして「言葉」はとても特別で大切なもの。自らの死を決意するまでに追い詰められた雷蔵がそれをテーマに小説を書くというのは、とても自然な事ではと思います。

結核や飢餓で亡くなった友人や親戚も居たのでしょう。彼はサナトリウムに実際行ったことがあったかもしれません。大切な人を見送るために。

そして、「介錯」という題名について。本来の意味は、切腹の際に苦痛を和らげるために介添えすることだそうですが、主人公の男がする「介錯」は、死を待つ者が抱える思いを言葉・手紙として解き放つことを指します。

それは「死への介添え」なのか「執着からの解放・救い」なのか。
使命に邁進していた男ですが、その信念はある女との出会いで瓦解していきます。その人間の弱さや、情というものを私はとても美しいと思います。

雷蔵を意識して書きましたが、結局この「介錯」は私が書いたものであり、雷蔵の書いたものではありません。きっと、雷蔵の書いた「介錯」は、もっと繊細で優しく、彼の痛みが剥き出しになったような、恐ろしいほどまでに洗練されたものなのでしょう。

それでも、この「介錯」が、「晴ル日々好日」や雷蔵について理解を深める切欠になれたら嬉しく思います。


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次の話題に移ります。なんと、「晴ル日々好日」が100PVを達成しました! ありがとうございます!

異世界転生やファンタジーが人気ジャンルとして君臨する中、大正時代を舞台とした、BLとも言えず、恋愛でもない宙ぶらりんの作品に巡り会って下さり、ありがとうございます。

また、昨日の投稿で10万字を突破しました。これからも長く続いていきますので、何卒おつきあいください。


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最後に、カクヨムでの活動を始めて、とても心の揺さぶられる作品に出会いました。

つるよしの氏の「梨子割」という作品なのですが、この主人公たちの関係性や感情が非常に美しく、圧倒されました。本当に凄い。こんな作品を書きたいと思う程に。
※梨子割のリンク:https://kakuyomu.jp/works/16818023212696611765


突然の鮮烈な出会いに、とてもドキドキしています。あまりに素晴らしい作品でしたので、レビューを書きたいのですが、上手く言葉を纏められないので、先んじて此処で吐き出させていただきました。

目下の目標は、梨子割にレビューを書く。ですね。

それでは、ここまで読んでくださった皆様、よいお年をお過ごしください。

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