ゴリモノ短編 第10話
閑話 結実の秋、散葉の秋
https://kakuyomu.jp/works/822139836932025876/episodes/822139837144699208本日17:43公開予定
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サイドストーリーにサイドストーリーを追加するという二重構造。
しかも3000文字を超えているという(笑)
43分という数字は「じいさん」の語呂合わせです♡
さて、書きたくても書けなかった、この短編の創作秘話(?)を語ります!
興味ない人はスルーで。だけど、真面目な話を書いているので、ちらっと斜め読みしてもらえたらすごく嬉しいです(ू•ω•ू❁)♡
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★アルナールの特徴について
こちらの短編で描かれたアルナールの幼少期。気性の荒さ、衝動性の強さ、言葉の幼さなど、「あれ?」とお気づきの方はいらっしゃいますでしょうか。
現代ならば、小学校でみんなと一緒に授業を受けることは難しいであろう、発達障がいを示唆しています。
誤解のないように申し上げておきますが、病気ではありません。当人や周囲が快適に過ごせるのであれば問題ありませんので、疳(かん)の強さが見られるからといって無理に矯正する必要はなく、ご家族や学校で連携してやさしく見守ってあげてください。
うちのキャラの話に戻り。成長とともにある程度足並みを揃えた行動ができるようになったアルナールさん。ですが、
・難しい単語が嫌いで、セルティアに食ってかかる
・じっとしているのが嫌いで、男性陣の基地に押しかける
・リムとともにヴァンを訪問する際、猫100匹かぶらないと黙っていられない(黙って話を聞くことにかなりの労力を要する)
・思いついたら、即イカを釣りに出かける
このあたりに特徴が残っています。
彼女は、単身で強いのでしょうか?
戦闘能力ならば、YESと言えるでしょう。
でも、彼らの旅を見守ってくださる方ならお分かりだと思います。彼女は仲間に支えられて「彼女らしく」自由奔放に、コミカルな暴力性とともに生きているのです。
なにか障害が立ちはだかったとしても、周囲のちょっとした手助けで、その人らしく生きていくことは可能です。
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★ミラーノの立ち位置について
ヤングケアラー、という言葉をご存じでしょうか。
少年少女という若い世代が、家庭の事情により、家事育児介護などを、お手伝いの範囲を超えて担う状況が、昨今クローズアップされるようになりました。
たとえば、
・弟妹の幼稚園のお迎え、その後家事などに時間を取られ、宿題をする時間が取れない
・介護が必要な家族の異変に備えて、友人と遊びに行くこと、修学旅行などに参加できない
・アルバイトで得たお金が、自分の小遣いや通信費だけでなく、家計として需要な比重を占めており、学校へ通うことが難しい
こういう状況に置かれた若者が、ヤングケアラーと呼ばれます。
さて、作中で「公爵家の問題」の二つ目として指摘したのがガロン爺さんです。
まだ12歳程度の少年が、年少者たちの安全を含めた管理に大きな役割を担っている、しかもそれを言い出しづらい(家臣であり立場が弱い)ことをクーベに相談しました。
公爵家でもそれを真剣に受け止めており、執事長の業務を調整してアルナールの家庭教師をやってもらい、ミラーノも公爵家で勉強ができるように手配しました。
配慮やちょっとした工夫――それが生きやすい世の中を作る。
という思いを込めつつ、主に爺さんたちを書きたくて書いた短編でした。