こんにちは。
一昨日は、私の侍女談議にお付き合い下さり、ありがとうございました。
コメントで「これはどう?」とアドバイスを頂き、とても有難かったです。
「そうか、みなさんはこんなイメージをお持ちなのか」
と私の脳内ネットワークが増えた心地でした。
また、単語が持つイメージの強さというものを、改めて実感できました。
感謝いたします。
さて。
主人公の役職名について、大変悩んだこの二日間。
時間が許す限り、洋の東西を問わずとにかく多くの単語に当たり、『女僕(メイドとほぼ同じ意味)』といった滅多にお目にかからない言葉にまで出会いました。
文字をパッと見て役職が想像できる。
声に出して読んだ時に、耳触りが悪くない。
古代エジプトのイメージを邪魔しない。
象徴的に使えて、地味じゃない。
色々拘っていました。
納得いくものが見つからず、いっそ造語してしまおうと開き直りました。でも、思いついた単語の多くは既にあって、しかも意味合いが微妙にマッチせず、
「お前もかーっ!」
とパソコンやスマホの前で何度も叫びました。
私の発想なんてたかが知れてるんだと痛感しました。
面白かったのは、古代エジプトという舞台が、中国や平安日本や西洋文化で使われていた単語にあっさり負けてしまうという脳内現象です。
女僕にせよ、メイドにせよ、雑仕や仕女にせよ、使われていた国と時代がはっきりしている分そのイメージが強固で、頭の中の古代エジプト風景がかき消されてしまうのは、私にとって初めての体験でした。
なら、古代エジプトらしい言葉を作ればいいんじゃない? と、古代エジプトの単語集を引っぱりだし、ユーザー様に教えていただいた古代エジプト語のオンライン辞書サイトを開け、古代エジプトっぽい言葉の検索にとりかかりました。
召使い、従者、~に仕える者、使用人、奴隷などの和訳がありました。
その中で、『機織り』という役職を見つけ、
「ああそうか! 仕事内容で区別するって手もあるわ」
と、「掃除女(そうじおんな)」という言葉を作りました。
掃除女といっても、別に手が空いていれば掃除以外の仕事をしたっていい。
また、古代エジプトにも、葬式で泣くのを職業にしている女性達がいました。
和訳は『泣き女』
『泣き女』『掃除女』『洗濯女』
召使いや従者を男女で言い分けていた古代エジプト。あえて『女』をつけるのは、悪い選択ではなさそう。
そして、侍女長は『女監督』に。
『~の監督官』という言い回しを、古代エジプトではよくします。
『女執事』という単語がオンライン辞書にありました。
じゃあ、『女監督』だね! とあっさり決まりました。
最後に、タイトル。
『泣き女』を『鳶』と呼んでいた(神話に出てくる鳶を真似て泣いていたのかな?)という記録から、同じく召使いにも『蟻』の別名を与え、タイトルは『ファラオの蟻は名前を持たない』に変更しました。
これに伴って、呼び名の変更と共に第一話もほんの少しだけいじりました。
こんな感じで、変更と修正が終わりました事を、ご報告いたします。
長々とすみません。
ありがとうございました!
そうだ。
ついでに、カエムワセトの上司だったと言われている、プタハ神殿の大司祭、フイを描いたものを貼り付けさせて頂きます。
『砂漠の賢者』や『外伝 草色神官の秘話』に登場しています。
レリーフなどの資料はあたっていません。
この姿は、完全に私の妄想です。
個性も強くしました。
以下、イラストです。
