【登場人物紹介】水城郁美――数字の向こうに、人の暮らしを見る女性
今回ご紹介するのは、葉山との因縁を持つ女性――水城郁美です。
■水城郁美(みずき・いくみ)
22歳。
大学で経済学を専攻し、卒業後は証券会社に勤務しています。
知的で落ち着いた雰囲気を持ち、物事を感情だけで判断せず、冷静に考えることのできる女性です。
しかし、その穏やかな笑顔の裏には、簡単には消えない過去の傷が隠されています。
郁美はかつて、葉山が引き起こした事件に巻き込まれました。
恐怖から逃れられずにいた彼女を救ったのが、当時まだ中学生だった雅也です。
それから約二年――。
郁美は吉祥寺のカフェで、名字も姿も変わった雅也と偶然再会します。
過去を無理に聞き出すことも、かつての彼に戻そうとすることもなく、郁美は現在の雅也をそのまま受け入れます。
経済学を学んだ郁美は、雅也に「サンクコスト」や「機会費用」という考え方を教えます。
すでに失ったものに縛られるのではなく、これから何を選ぶのか。
力で相手を倒すだけではなく、知識や法律によって人を守る道もある――。
郁美との再会は、雅也が将来の進路を考えるうえで、大きなきっかけの一つとなっていきます。
雅也の過去を知りながら、現在の彼を理解し、静かに寄り添う郁美。
その胸の奥には、感謝だけでは言い表せない想いも秘められています。
「焦らなくていい。ちゃんと考えよう」
過去の痛みを抱えながらも、自分の力で新しい人生を歩き始めた女性――水城郁美。
彼女が雅也に示す「喧嘩以外の強さ」にも、ぜひご注目ください。
『真心の狼――守るために強くなる――』