第15話「名前を返す鐘」を公開しました。
今回は、第1章のひとつの区切りとなる回です。
第14話で戻ってきた、十六年前の十二分。
星白ミレアが残した言葉。
門の鐘、時計台の鐘、星律の杖の鐘。
そして、門の前に現れた白い名札。
ましろたちは再び《空白の王冠》と向き合います。
けれど今回は、ただ倒すための戦いではありません。
名前を奪ったもの。
名前を持たないもの。
呼ばれたことがないもの。
返事の仕方を忘れてしまったもの。
ましろは、その存在をただ“空白”とは呼びません。
名前は、誰かの上に載せる冠ではなく、
呼ばれて、返事をするためのもの。
第15話では、ましろが第1章を通して積み重ねてきた答えとして、
「名前を返す鐘」を鳴らします。
最初は、自分の本当の名前すら知らなかったましろが、
誰かの名前を呼び、書き、歌い、守り、
最後には“空白”と呼ばれていたものにさえ、仮の呼び名を渡す。
ここまでの物語の積み重ねが、ようやくひとつの鐘になった回だと思っています。
孤児院を中心にした第1章は、ここで一区切りです。
ただし、物語はまだ終わりません。
砕けた王冠の影は、星見坂の街へ。
第2章では、孤児院の外へと舞台が広がっていきます。
名前が消えるだけではなく、
売られ、捨てられ、手放される街へ。
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
引き続き、ましろたちの物語を見守っていただけたら嬉しいです。