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「傷口にハチミツ」完結しました

最後までお読みくださった方、ありがとうございます。
少しずつ増えていくPVに励まされながら完走できました。

「傷口にハチミツ」は、確か2010から2012年頃に書いた記憶があります。確か。
今も昔も自分の書いたものの中では1番と言ってもいいほど気に入っているのですが、クソガキが書いた過去の恋愛精算物語なんて面白いはずもなく、随分前に別の小説投稿サイトに出して以来、長いことお蔵入りになっていました。
というか登場人物たちの名前、苗字考えるのがめんどくさくて、(村山を除き)書いた当時に活躍していたプロ野球選手からパクってきたので「うわーーほぼみんな引退しとるやんんんんん」ってなってました。時間の流れが早い。立浪なんて監督ですやん。涌井ぐらいですかね2025年も現役なの。

かなりの加筆修正をして今回改めて発表しましたが、改稿前は主人公たちが使っているのがガラケーで、メールでやり取りしてて、電話も家電を駆使していて、動画を撮ってどうこうなんてやりとりもなくて、なんというか、時代やなぁ……という気持ちでそれらをバチバチに修正していきました。ざっくりですが主人公たちは2005年前後生まれくらいの感じでコロナ禍を無視して書いています。
夏香も修正前は配信ではなくレンタルと地上波を駆使して映画を見ていました。そのへんを書き換えていくのは難しかったですが、配信というツールが出たぶん夏香の個性にも広がりが出て(学校帰りに彰とタブレットで映画を見るとか)面白かったです。より変態感が強まった気がしますが。

実はこの話、表には出ていないですがひっそりと残っている設定として「瞳は夏香のことが好き」というものがあります。
夏香が村山と付き合うまでは心の中で静かに好きなままでいたけれど、村山という最強の王子様が彼女を攫っていってしまったことで、苦しみながら迷いながら彼女なりにケジメをつけて、村山と共にいる夏香の幸せを応援するという結論を出した子です。
だから夏香との関係についての彰の優柔不断ぶりや善人ぶりが許せなかった、という設定でした。女の子同士の自分より遥かに有利な立場にいる男子の彰がいつまでもいつまでもうじうじ言ってて、おそらく「贅沢な悩みだ」と言いたかったのだと思います。
恋愛関係の流れで言うと構想の当初、中学で賢一は彰のことが好きだったけど彰が夏香にベタ惚れだから言えないまま見守る側にまわった、と、高校生の和久井は野球場で知り合った社会人の彼氏がいるけれど高校を卒業するまで誰にも内緒にしている、という隠れ設定もありました。話の流れに全然関係ないのでこれも完成品ではほとんど使ってないです。
ほぼ無いに等しい設定ですが、実はこそっとそんな話が作者の頭にあったということを知った上でお読みになられると、みんなのセリフにちらほら片鱗を見て頂けるかなぁと思います。でも、お気になさらず読んで頂いても問題のない内容となっております。何せほぼ生かしてない設定なので……

何がなんでも村山を絶対最強王子様にしたくて彰よりもかっこよくなるようにと願いながら山﨑賢人的なイメージで描写していたのですが、イケメンすぎて非現実的すぎます。自分なら元恋人の現恋人と仲良くなるとか無理です。でもたまにこういう人が本当にいるので事実は奇なり過ぎる。多分村山は足が臭いとか寝相悪いとかなんかあります。あってくれ。
個人的には彰の方が好きです。たまにぶん殴りたくなりますが。ああいう友達が高校の時にいました。
夏香がかなり真朝の好みに偏った女子になってしまったので、読者の皆様に気に入って頂けるかどうか不安です。
新旧問わず映画が好きな女の子ってたいへん可愛くないですか。しかもめんどくさいオタクっぽくなくて普通に可愛い明るい女子で。そんな子とお近付きになりたかった。こんなのが見たいなーとぼやいたらすぐさまおすすめ映画をズラッと紹介してくれるような無邪気な美少女いませんか。
辛くてもしんどくても責任が重くてもどうにかして前を向いて頑張ろうとする女の子が大好きです。

読者の皆様が要所要所で彰を殴りたくなる悔しい話になっていれば幸いです。
殴ったあとご飯に誘いたくなりますね。
でも彼はやっぱり一生懸命だったと思うし、根はとてもいい奴なので、大学以降で素敵な女性と出会えているだろうというのは容易に想像がつきます。
その人を心の底から愛して大切にするだろうと思うので、ぶん殴りたくなった方もぜひ許してあげてください。
彰は自分のことを地味な陰キャだとずっと自称していますが、勝手にそう思い込んでるだけで本人はとても愛情深くて優しい、不器用なかっこよさがある男の子だと思いながら書いていました。
幼いが故に下手くそに生きてて失敗して後悔して、それでもギリギリで前に進むことを決めた彼に対し、何か感じるものや愛おしく思うものがあれば嬉しいです。

ちなみに「15時17分 パリ行き」「バニラ・スカイ」は真朝的オールライフタイムベストフィルムです。
作中に出てきた「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のラストシーンも座右の銘にしたいくらい大好きです。子供の頃ホバーボードが欲しくて仕方なかったですが全然実用化しませんね。誰か公道で使えるやつ作ってくれませんか。
「ローマの休日」は途中でハッピーエンドか否かのディベートシーンが欲しくてちゃらっと書き加えただけなのですが、予想以上に本編の流れや心理にヒットしてて、名作はやはり世紀が変わっても素晴らしいままだなと痛感した次第です。そしてオードリーヘップバーンが可愛すぎます。実際にローマを訪れる前後に見ましたが、観光予習映画として優秀すぎてそんなところも好きです。行ったあとに映画を見ると「観光客が……おらん……!!!」と心底驚きますが。
予習といえば「シンドラーのリスト」もアウシュヴィッツの強制収容所を見学する前後に見ましたが、後の方が圧倒的に気分悪いですね。そしてラストでボロボロ泣きました。最高の映画ですがもう二度と見れません。全人類見るべきだとわりと本気で思いますが、子供たちは夏香のように学校で勉強してから見て欲しいなと思います。大人はとりあえず見て欲しい。今を生きていくのはとても大変だけど、生きる選択肢を自分で選べる人生は幸福なんだと、理不尽に人の命が奪われる戦争映画から毎回学びます。

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