https://kakuyomu.jp/works/2912051596827309464
第5話まで終わったので、関係者をまとめておく。
正確には、まとめないと俺自身が把握しきれなくなってきた。実績がある、この種の予感に。
皇蓮司 同期。勇者適性あり。俺が五年間隣で見てきた男で、異世界に来て三秒で適応した。邪気のない笑い方をする。その邪気のなさが、ときどき腹立たしく、ときどきひどく羨ましい。どちらの感情も、顔には出さない。出す必要がない。
エリシア 王女。十九歳。書庫で二度、顔を合わせた。根拠のない恐怖があるかと訊いてきた。正確には、根拠のない何かがあるかと訊いてきた。答えなかった。答えが出かかったのを、出す前に止めた。止める必要があったかどうかは、今もまだわからない。
リリア 女給。十七歳。よく失敗する。悪気がない。悪気がないので腹も立たない。ただ、目が行く。なぜ目が行くかは、正確にはまだわかっていない。
老魔術師オルフェン 召喚儀式の担当者。俺の知力には水晶が対応していない種類があると言った。人が集まるとき、それは偶然ではないとも言った。意味がわかるまでもう少しかかりそうだ。
以上が主な関係者だ。以下は、端役と呼ぶには少し惜しい面々である。
宰相グラナード 五十代。顎髭が整っている。概要だけ伝えて詳細は現場に丸投げする。前の会社の部長と同じ種族だ。俺が書庫に出入りしていることを把握していた。どこまで把握しているかは、把握していない。
騎士団長ヴァルド 四十前後。首から剣の柄が覗いている。蓮司を気に入っている。俺には「ご苦労」と言ってこちらを見なかった。それが正しい判断だと思う。今のところは。
騎士レオン 二十代前半。蓮司を崇拝している。俺には申し訳なさそうな顔をする。その申し訳なさがいつまで残るか、少し気になっている。
侍女ミーナ 十八歳前後。リリアの友人。心配の出し方が怒声になっている。悪い人間ではないと思う。思っているが、根拠を聞かれると少し困る。
以上だ。
どうせろくなことにならない、とは思っている。思っているが、保留の箱が想定より早く重くなっている。蓮司がずるいと言ってくる。王女が廊下の突き当たりから見ている。リリアが三十センチ隣で笑う。
この先を読むかどうかは、お任せする。
ただ、読んでも、たぶん、ろくなことにはならない。
実績がある。