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人物から書く作家と、世界から書く作家――「万華鏡の城」が書きにくかった理由。

今だからはっきり言います。
拙作の「ねこのけんしと万華鏡の城」、あれちょっと酷くないですか?(笑)

世界観はあると思うんです。でも正直、かなり分かりにくい。
実はあの作品、「絵本」と「万華鏡」。この二つのイメージから始まっています。

「絵本とは、完成された物語。
あるいは、読む人の解釈によって少しずつ更新され続けていく物語」

「一方、万華鏡はまったく逆で、
誰かの断面を切り取り、未完成の瞬間を固定してしまうもの」

――そんな、ちょっと抽象的な対立テーマから書き始めました。
ただ、これが自分でも分かりにくい(笑)というのも、私は普段まったく違う書き方をしているからです。

***

私の場合、まず一人の人物が浮かびます。
そして、その人物のために必要な世界が、あとから全部引き寄せられる。いわば「キャラクターの鼓動」から物語が始まるタイプです。

例えば、たい焼きの作品なら、最初に浮かんだのはジャンクの丘に埋もれているリルの姿でした。その光景から、世界や物語が広がっていきました。

今は非公開ですが、「End of Fantasy(ケルト神話×円卓)」も同じです。
時代の衰退とともに妖精郷(塚の中)へと隠れた仲間。ダーナ神族のトゥリレアが、そこへ逃げ遅れてしまう場面――長年の逃亡生活。霧の島でブリテン兵に追われる、そんな彼女の孤独な姿からすべてが始まりました。
つまり私は、一人の人物から世界を作るタイプなんですね。ところが「万華鏡の城」は逆でした。

テーマと世界観が先にあり、キャラクターはあとから生まれた。
しかもコンテスト短編なので、一万文字制限つき。結果どうなったかというと――
書くのが、地獄のようにキツかったです(笑)
普段と違う書き方って、本当に脳の使い方が違うんでしょうね。

それでも星を入れてくださった方には、本当に感謝しています。
ただ、やっぱり思うんです。これは一度、ちゃんと書き直さないとマズいなと。

そんなわけで、長編を書くのはしばらく断念したんですが、既存短編の改稿はどうしようか考え中です。

朝から面倒な日誌失礼しました 🐱 笑笑。

7件のコメント

  •  え? けんしさん。十分面白かったですよ。
     確かに細部のストーリーまでは趣旨を追いかねたところはありましたが、それはそれで想像の余地や余韻に繋がっていたと思います。
     抽象画ってあるくらいだから、デッサンが有体物に特定される必要もないわけで、小説も同じではないでしょうか。
  • モネが好きかマグリットが好きかみたいな違いじゃないでしょうか。
    私はあの世界観すきでしたよ~(=^x^=)♪
  • 小田島匠さん
    おぉ。コメントありがたいです。土曜朝って反応少ないんですよね。本当ですか。小田島さんがそう仰るなら、ある程度のラインには達してたのかな―ー。

    レビューにも「わからない事が魅力」みたいなのは書かれてたんですが、あまりにも投げっぱなしだったかなと(笑)しかし、私が思ってるよりは悪くなかったのかな?

    本当、作品の出来って自分じゃわからないものですね。
    特に世界観を出す短編ほど、私はわからなくなります🐱w
  • キジトラタマさん
    うーむ。抽象テーマを扱ってはいますが、文体自体はライトなので、セーフだったのかな?
    私は長編書くとよく「神話病」が発症して、壮大にし過ぎ、詩的にしすぎちゃうんですよね。
    End of Fantasyも読まれたかと思うので、キジトラタマさんも感じてると思いますが(笑)

    ちなみに太蔵さんが先に生まれたのか、猫島が先かは気になります。いえ、豊年祭でしたか……🍄。
  • 「蒼き果実と機械の少女」と「End of Fantasy」は私の駆け出しの頃の作品なんですよね。もろ病気が発症してる作品です。
    改稿してなんとか……と思いましたが厳しかったですね。

    「万華鏡の城」は、それから半年後に書いた作品なので、テーマがわかりづらくとも、まだ読者のリズムに寄り添っていたのかもしれません。
  • 私はすごく素敵な作品だと感じました。
    絵本と万華鏡、二つの特性がうまく融合していると受け止めました。登場人物のバックボーンもしっかり感じ取れたので、今後の発展(改稿)も楽しみにしています。
  • リトマスさん
    本当は万華鏡がなぜ「未完成な存在」に執着するか。
    ラスト手前は、カナタと万華鏡のシーン予定だったんですよね。
    あと、仮面の男のバックボーン補足として、エピローグも
    書いてたんですよ。
    これでも最低限の構成のつもりだったんですが、文字数足りなくて、全カットです(笑)

    それでも、ある程度感じ取っていただけたなら、ありがたいです。
    改稿する場合は、短い中編くらいになってくるのではないかと
    思います。
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