乗馬クラブに通って1年と半年。
ネット上を見るとだいたい半年もすれば、駈歩を習得できる、時間のかかる人でも1年もあればという。
なんとかマンツーマンの枠を卒業して、部班に混ぜてもらったが、馬と指導員を選ばなければ駈歩が継続できない。いや、部班のメンバーも選びたいのはやまやまなのだが、そこは自分も選ばれる力量でないのでお互い様である。ただ、同時期に同じレベルにある人はきまっているので、概ね人馬の組み合わせは似たようなものになる。それでいて指導員によって馬の動きが変わるのだから、指導員の力量なのか指導員と馬との相性なのか…と、勘繰ってしまう。というかプロなのだから、後者はよほどでもなければ、理由にしてほしくないものである。特定の指導員においては、初心者ライダーはバランスよく乗ってさえいられれば、流れを止めることはないのだから。
とはいえ、自分の努力不足を棚に上げてばかりもいられず、条件が変わろうとも乗れるようになりたい一心でレッスンを受けに受けるのだが。
自分の体調、天候、馬場、馬の気分、他の人馬との組み合わせ、何より指導員との相性、いずれの理由であれ何かしらの不足があれば、穴の空いた桶に水を入れるも同然、あれよあれよと溜まったはずの水は消えてゆく。ちょっと前まで楽しく乗れていたはずの駈歩のイメージが全く出てこない。入れども入れども貯まらないのは何故なんだ…?私は何をしてるんだ…?
行き詰まりに行き詰まった空気感が顔に出過ぎたのか、たまに顔を見る程度の他の会員さんと駈歩が苦手で…と吐露しだしたら愚痴大会が盛り上がってしまった。
彼女とは改めて会話するのは初めてだが、なんとなく自分と同じレベルのレッスンは一瞬だけで、さっさと次のレッスンに上がっていた記憶がある。ところが、彼女は今、私がいるレッスンより下のレッスンを今は続けているという。私はこれまで上がってからなかったことをじりじりと焦っていたが、せっかく上がっても、また戻されると聞いて、もはや桶の底がぽっかり空いてしまったような気になった。
一時は、たとえ下手でも馬に会えればそれでいいと思った時もある。自分に言い聞かせるように。しかし、下手ということはそれだけ馬に負担のかかる乗り方をしているということなのだ…そんなこと、馬が好きな人なら望むわけがないじゃないか…。
彼女は指導員から「他のクラブに行っても上手くならないぞ」と言われたという。わたしも同じことを言われるかもしれない。それでも、もう電話はしてしまった。来週向かうは、入会金が今のクラブの倍はするクラブ。上がりゆく気温に反して、懐は寒いが、今のままでは納得がいかない。何が違うのかな…じっくり試乗して考えればいいさ、移籍するのかしないのか。ただ、仮に移籍するとして、ひとつだけ後ろ髪を引かれるのは、お気に入りのお馬さんの顔も見られなくなるのか…ってこと。自馬でもなんでもないんだから、執着していいような権利もないけれど。自分のお手入れでにょきにょき鼻を伸ばしてくれるのは、これ以上ない癒しなんだよね。
ああほんとうに、馬に罪はないんだよなぁ馬には。