通貨の単位(1世紀後半):
1デナリウス(銀貨)=4セステルティウス(真鍮貨)=16アス(青銅貨)
なお、同じ1デナリウスでも西暦2世紀を境にどんどん銀含有率がさがって西暦3世紀後半には数パーセントしか銀が含有していない。そりゃ物価も上がりますわ。
麦芽水あめの原価と粗利、利益の上限:
大体製造コストは材料費で1セクスタリウスあたり3~4アス前後。
デキムスへの卸値が2セクスタリウスあたり11アス(1セクスタリウスあたり5.5アス)なので粗利としては1セクスタリウスあたり大体2アス。
既存の奴隷用の鍋で作るとして、1ロット2セクスタリウス分。
主人不在の数日で集中的に作ると考えて大体作れるロット数は10ロット×3日×2セクスタリウス=60セクスタリウス
60セクスタリウス×2アス=120アス=30セステルティウス≒7.5デナリウス
1ロット当たりの工数:
ルシウス7時間(麦芽作り)
料理人のおっちゃん3時間(麦粥つくり・煮詰め)
→量が増えてもせいぜい5倍程度なので2~3人日程度で60セクスタリウスの麦芽水あめが生産可能
ペクリウム:
奴隷には基本的に財産権はないが、例外的に家長の許可のもとに認められるペクリウムという特有財産というものがあった。
法律的には家長に所有権があるが、実態としては奴隷が自分の裁量で管理して生活費や商売の資金として使うことが許されていた。
奴隷が開放されるルートの一つに『自身を買い取る』というものがあるが、その原資となるのがこのペクリウム。
法律上はいつでも自由に家長が没収できたが、そんなことをすれば『ケチで卑しい』と見られるので主人の破産や奴隷自身の重大な過失・犯罪などのよっぽどの理由がないかぎりペクリウムが没収されることはなかった。
なお没収ではなくペクリウム由来の利益の『回収』は特に卑しい行為とはみられていなかった。
フェリクスにとっての「麦芽水あめ内職」の価値:
ポンペイの上級貴族(騎士階級)のヴィリクスであるフェリクスのおっちゃんの推定収入は月20~40デナリウス。
なお主人(マルクス)から給金を貰うというよりは役得(出入りの商人や主人の事業にかかわる付け届け)が主な収入源。
これを見ると日雇い労働者くらいかな?と思うのだが奴隷であるフェリクスは生活費がなんと0!
交際費や私的な支出等があったにしても月に18~36デナリウス程度は貯金があったと考えると半分ルシウスにいずれ返すと考えてもそこそこ美味しい副業くらいのイメージかもしれない。
まあ家庭内手工業レベルだとそうよね。最初はね。