栗パン

猫島の物語も、いよいよ終わりが見えてきました。
このタイミングで、一度立ち止まって。
私がどうしてこの物語を書き続けてきたのか、少しだけ振り返ってみたいと思います。

ひとつは――とても単純な理由です。私はこの物語を書くのが、本当に楽しいからです。
ちょうど『栗あんの話し』を書いたときと同じように、自分の性格にはこういった温かくて優しい世界を描く物語が必要なんだと、最近ようやくわかってきました。

今、私が連載している他の小説、たとえば『雪の刃』や『転生林黛玉』を題材にした物語は、どちらかというと重たい感情や悲しみを含む、複雑な世界です。もちろん、それも私にとって大切な作品たちなのですが、毎日二話三話と書き続けているうちに、心がどうしても疲れてしまうことがありました。
だからこそ、猫島を書く時間は、私にとって「自分を救う」ような時間なのです。

そして、もう一つの理由は……たぶん、私は少し「頑固」な人間なんだと思います。

昔、『雪の刃』を読んでくれていたある方が、私にこんな言葉をくれました。
「疲れたときには、もっと楽しい話を書いて、気分を変えてみてもいいんじゃない？」と。
その言葉を受けて、私はふとしたきっかけで猫島の物語を書き始めました。
最初は、私はその方に対して、そのアドバイスに対して、すごくすごく感謝しておりました。

ちょうどその日、私の大好きなグループが、翌年の解散を発表したばかりで……ファンクラブの会員証も切れていて、悲しみが一気に溢れてしまって。
言葉にできない気持ちをどうにかしたくて、私は猫島を書き始めたのです。

でも、次の日、その方から、新作を書いたのに知らせてくれなかったとか、同じコンテストに出すつもりだったから教えなかったんだろう、みたいなことを言われて……私は必死に説明しました。

ただ、思いつきで書いた作品だったこと。
無名の自分にとって、少しでも誰かに読んでもらえるようにと、MFのコンテストに投稿しただけだったこと。
本当にそれだけだったのに。

それからしばらくして、私が体調を崩したとき、その方からあなたは猫島のような話は向いていない。雪の刃の方が合っていると言われました。
さらに、私が猫島に力を注いでいることで、林黛玉の物語にも魅力を感じられなくなってしまい、もうコメントを残す気にもなれなかった、といった内容のメッセージも届きました。

その言葉が、胸に深く刺さって……私はとても傷ついてしまいました。

そして、当時は、ノートに書きました。「読みたくないなら、そっと離れてくれて大丈夫です」と。
その方は、それ以来、私の作品を一切読まなくなりました。
私がその方の小説にコメントしても、反応はありませんでした。

だから私は、もっと一生懸命、猫島を書き続けました。

なぜかって？
私は、どうしても悔しかったんです。
「あなたには向いていない」なんて、そんなふうに言われたくなかった。

どんな物語を書くかを、他の誰かに決められたくなかった。
私はただ、自分の心が求める「癒しさ」や「楽しさ」を書きたかっただけ。
読んでくださる方が、少しでも笑ってくれたり、癒されたりしたら、それが私の喜びでした。

だから、私は毎日ノートを更新して、皆さんとお話しするようになりました。
本当にありがたいことに、今ではたくさんの方が猫島を読んでくださっています。
まだ執筆歴半年にも満たない私にとって、それは夢のようなことです。

そして、私がここまで書き続けてきたのは、やっぱり、心のどこかで「限界を決められたくない」と思っていたからだと思います。

私は、ほんとに自分の感じた世界の美しさや楽しさを、精一杯言葉にして届けたい。
そして、同時に――
「あなたには無理だよ」「向いていないよ」と言われたときに、それでも前を向いて進んでいいんだと、誰かに伝えたい。
そんな思いが、私の中にずっとあったんです。

だから、この物語が終わるその日まで、私は全力で走り続けます。

そして、もしこのノートを読んでくださっている方の中に、今つらいことがある方、誰かに「あなたにはできない」と言われている方がいたら……
どうか、自分の心に正直に、自分だけは自分の味方でいてあげてくださいね。

少しでも、あなたの毎日があたたかくありますように。

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追伸：
毎日のようにたくさんノートを更新してしまって、なんだかお騒がせしているような気がして……ごめんなさい。
でも、猫島の物語が終わったら、きっと今ほど毎日投稿することはなくなると思います。
いつも見守ってくださって、そしてここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。
心から、感謝しています。