💞帝国の通信機
帝国で使用されている通信機は、過去に発見されたロストアイテムをもとに、帝国の研究機関が長年研究を重ねて再現・組み立てたもの。
完全に原理を解明して一から製造できる技術ではなく、現存するロストアイテムの構造や部品、記録などを解析しながら、使える形にまで復元した装置に近い。
非常に貴重で、製造・修理・管理には専門の研究機関が関わっている。そのため一般には流通しておらず、国家機密として厳重に管理されている。
通信できる時間には制限があり、一日あたり約30分。長時間の連続使用はできない。
主な使用者は皇族や国家の重要人物で、遠隔地との緊急連絡や重要な報告などに使われる。レナートもこの通信機を利用し、離れているセレナと話すことがある。
帝国にとっては最先端の通信技術だが、その技術の根本は失われた文明の遺物に依存しており、帝国が完全に掌握している技術ではない。
💞アルカディア国外向け簡易通信機
神聖学術国アルカディアが、国外との連絡用として限定的に提供している簡易通信機。
帝国を含む外国へ渡されるものは、アルカディア国内で使用されている通信機とは異なり、機能や使用範囲を制限した国外向け仕様となっている。
基本構成
国外向け簡易通信機は、5台で完全な1セットとなっている。
5台はそれぞれ独立しているように見えるが、内部では同じセットとして相互に連動しており、別のセットの通信機と自由に組み替えることはできない。
通信は主に短い文章の送受信に使用され、一度に送れる文字数はおよそ30文字程度。
電源には交換可能な乾電池を使用する。
帝国が独自に保有している皇族用通信機とは異なり、一日あたりの使用時間制限はない。
5台連動式の安全機構
通信機には、アルカディアの技術が国外で解析・模倣されることを防ぐため、特殊な保護機構が組み込まれている。
1台でも中核部分を不正に開封したり、分解しようとした場合、自動的に保護機構が作動する。
その際、不正に開けられた通信機だけでなく、同じセットに属する残り4台も連動して使用不能となる。
つまり、1台を分解して内部構造を調べようとすれば、5台すべてを失うことになる。
自己破壊機構
不正な分解が行われると、中核部分で小さな破裂音とともに煙が発生し、重要な部品が焼損する。
これは使用者を傷つけるためのものではなく、内部技術を解析不能にするための機構である。
作動後は中核部そのものが損傷するため、部品を取り出して構造を調べることも困難になる。
外国側に知らされている情報
アルカディアは、国外へ通信機を渡す際に、安全機構の詳細までは説明していない。
各国へ伝えられているのは、
「通信機を無理に開けたり、分解したりしないこと。内部に手を加えた場合、故障する可能性がある」
という程度である。
5台すべてが連動して使用不能になることや、内部の認証方式、自己破壊機構の詳しい仕組みについては公表されていない。
指紋認証
通信機の内部には、正規の整備担当者を識別するための認証機構が存在する。
その一つとして指紋認証が利用されているが、この事実は外国には知らされていない。
アルカディアの認定技術者であれば、正規の認証を行ったうえで内部を開き、修理や整備を行うことができる。
認証を受けていない者が同じことをしようとすると、不正開封と判断され、安全機構が作動する。
修理と交換
国外では基本的に内部修理を行うことができない。
不具合が起きた場合は、アルカディアへ返送するか、アルカディアから派遣された認定技術者に確認してもらう必要がある。
通信機は非常に高価で、簡単に追加購入や買い直しができるものではない。
そのため、各国にとっては単なる便利な道具ではなく、慎重に管理すべき重要な機器として扱われている。
アルカディア側の目的
この仕組みには、国外との連絡手段を提供しながらも、アルカディアが持つ高度な通信技術そのものは流出させないという目的がある。
外国に便利な技術を利用させることはあっても、その技術を自由に解析・複製できる状態にはしない。
5台連動式の保護機構は、そのための強力な抑止策となっている。