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異世界奇譚:第四章「碧水の暗流」のあとがきのようなもの

こんにちは、こんばんは、雪村ことはです。

第四章「碧水の暗流」を最後までお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。

先日の近況ノートで「書き終えました」とご報告した際にも少しだけ触れましたが、あらためて、この第四章のことを書かせていただきます。(仕事が最近立て込んでおり近況ノートへの投稿が遅くなりました、、)

まず、正直な気持ちですが、この第四章は自分の中でかなり上手くいったお話だと思っています。

正直の作品を「上手くいった」と口にするのは少し恥ずかしいですが、、書いている間も、書き終えてからも、「やりたかったことが、ちゃんと形になった」という確かな手応えがありました。こういう感覚はこの小説を書いてから初めてでした。

何度も近況ノートでお伝えしていたのですが、第四章は第一章・副都青墨編のセルフオマージュ、セルフリメイクとして書いていたのですが、当時の自分の力ではこういう雰囲気のお話を形にすることができませんでした。

それから、この章でどうしても果たしておきたかったことが、鳳来という主人公を一度きちんと殴りつけること、でした。

ずっと、どこかの場面で、この子に本気の罵倒を浴びせたいと思っていました。転生者として前世の知識を抱え、周りの大人を動かし正しいことを言い、結果を出してしまう。それを否定してほしかった。そして姉の琳華が最も適任だと思いこのお話になっています。

ここからは、少し個人的な話ですが、鳳来のやっていることは、私自身の本業にも通じるところがあるのです。私の仕事は、比較的、人の仕事に口を出すことで成り立っている類のものです。あれこれと意見を述べ、道筋を示し、人を動かす。それで一日が終わる。

こういう働き方をしていると、自分の手では、今日、何ひとつ積み上げていない。石ひとつ運んでいない。それなのに、口を動かした分だけ「仕事をした」気分にだけはなっている。達成感は少しもないのに、働いた実感の輪郭だけが残っている。その空っぽさに、前々から静かな危機感を覚えていました。

ここから彼が、その言葉にどう答えていくのか。お客様の椅子から立ち上がって、自分の足で、自分の手で、この世界に何を積んでいくのか。それを描いていくことが、これから先の物語になる予定です。

長くなってしまいました。第四章「碧水の暗流」、ここまでお付き合いくださって、本当にありがとうございました。

ここからは少しお知らせを。

以前の近況ノートで触れた、古典の名作を下敷きにした、『開拓船〈自由号〉の記録』は本日から投稿、全八話の構成です。(四話ほどとお伝えしていたのですが、書き始めてみたら倍に膨らんでしまいました、、)

こちらは元々、骨格がきっちり固まっていたおかげで、驚くほどすらすらと書き進めることができました。(読んでいただければわかるのですが、話の書き方の単調なので、、)
ただ話が、とにかく重いくて書いていてしんどかったです。書き終える頃には、私自身、少し息が詰まってしまって、かなりフラストレーションが溜まっていた、というのが本当のところです。

そんなわけで、少しだけ予定を変えさせてください。

『自由号』のあとは、異世界奇譚に戻る前に、もう一本だけ寄り道をします。『チョコレート薬舗』のお話です。実はほんの少しテコ入れをして最近再公開しました。(話はほとんど変えていませんが伏線を散らしています)
今度は趣向を変えて、少し軽やかな筆致で、この街とひとりの薬師のことを書きたい気持ちでいます。

異世界奇譚の続きは、その後からの再開とさせてください。
第四章から第五章にかけては、物語がいちばん重くなっていく区間でもあります。だからこそ、書き手の私自身が一度深呼吸をして、良いメンタルで戻りたいと思っています。もう少しだけお時間をください。

それでは引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

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