御手「そいつ、いままで、何回、倒されてる?」/都築「七十二万四千三百十一体です」/——御手は天井を見上げた。「そりゃ、来るわ」「え?」「なんでもない」
御手「全部、通じてます。九条さんの祓いは、完璧です」「消えてるでしょ、ちゃんと。俺、見てました。すごかったです」——「だから、湧いてるんです」
都築「なんで、そこ、守ってるの」——その人は、自分の書いたルールに、殺されかけていた。/九条「私は、七つの流派の、二百十九の式を、修めています」「一つも、通じない、ということが、ありますか」
芝田「デバッグは、中身が見えるから、だめなんです」「エンドロールは、見せるために、入ってる」/御手「無いものは、出せねえもんな」「もう、そこにあるやつを、ちょっと、開けるだけです」
九条「あなたのやったことは、祓いでは、ない。あなたは、ただ、催しを、やっただけだ」/御手「そうですよ」「イベントですもん」/「私は」「認めませんよ」/「はい」「よろしくお願いします」——九条の、こめかみが、動いた。
九条「あなたは、あれに、何を、払っているのですか」/御手「……なんも」/「――では」「まだ、請求が、来ていないだけです」