いろんなところに書き散らしている月狼伯爵と月森とのリンク部分の話をまとめました。
どちらも今現在の最新部分(月狼伯爵は2-14、月森はⅡの終わりまで)までのネタバレを含みますので、両方読んでくださった方々への答え合わせ的な内容です。これからお読みになる方はご注意くださいませ。
Ⅰ、アン、ルー、クリスティアル
①アビゲイルの妹でオーヴェル家四女のアンは、月森主人公セラの友達アンジェリカと同一人物です。オーヴェル家は、パパとアビー、アン、一番下の弟ローレンスが赤毛で火属性の持ち主になっています。魔力の強さはアビー>>パパ・ローレンス>>>アンとなっています。
年齢差的に、月森時にはローレンスも学院に通っています。アンとは仲良し姉弟。アーサーとライルが義兄になるのかぁ……ローレンスくんには真面目に真っ直ぐ育ってほしいですと遠い目をする作者。
②セシル家四男のルーくんは月森のヒーローのアルファルドと同一人物です。ルーと呼ぶのは月狼伯爵の時間軸ではアーサーのみ。アルファルドとルシオンとセシェルと全員ルが入っているので、誰を呼んでいるのか……誰が表層に居ても良いと思っているとてもずるい呼び方だったりします。似た者同士で悪いことを教えてくれるアーサーには割と懐いています。
この時期はセラと引き離され、魔力を制限され、身体的にも精神的にも不安定な状態。ルシオンの記憶により母親属性の大人の女性を忌避しているので、家族にとってつらい時期でした。
③アーサーの従兄弟クレンネル大公家次男クリスティアルくんは月森のヒースと同一人物です。(長男のジェイドは雪花のクレンネル大公ジェイドと同一人物です)この頃は、兄弟仲良しだったんですけどね……。
月狼伯爵時点では父上もご存命だったので、アーサーとのシーン(叙爵のシーン)も考えていたのですが、話が逸れそうなので今回は断念しました。
Ⅱ、月森でのヒースの証言
セラにアルのことを聞かれたヒースは、正体を知るヒントとして兄の話を出します。
「そう、一番上の兄さんが十歳離れていて、僕の兄さんと同い年。――そういえば……」
「……アンジェリカの一番上のお姉さんも同い年だった。一時期アルの兄さんと付き合ってたって噂を聞いたけど、結局別の人と結婚したね」
月森Ⅰ 18話
このように答えていますが、月狼伯爵2-13を読むとこれは 嘘 ということがわかります。だってヒースは二人が結婚したことを知ってますからね。
この時点でセラがアルの正体に辿り着いていれば、ヒースの答えは違ったと思います。そもそもここでヒントとして兄の話を出す必要もないですし。
ヒースの性格を考える時、嘘吐き公爵と揶揄されるクレンネル大公家なので、当初『逃げも隠れもするが嘘はつかない』黒いガ◯ダムに乗ってそうな性格にしようと思っていたのですが、魔眼の影響で嘘をつけないサフィルスや、愚直で不器用なディーン、不用意な発言が信用問題に関わるジェイド、清廉潔白な聖王セイリーズとのバランスをとって今の形になりました。
魔法が使えないヒースは嘘も駆使して泥臭く生きなければならんでしょうということで。
Ⅲ、セシル伯爵
これはもし気付いた人がいたら回らない寿司を一緒に食べに行きたいのですが(といっても月森Ⅰ完結してからもう何年も経っているので忘れられていると思いますが)、月狼伯爵や月森Ⅱや短編集のレグルス・セシル伯爵と月森Ⅰのセラの回想の伯爵ってキャラが違くない?? と思った方居ませんか? その違和感は正しいです。
月狼伯爵2-14でアーサーがフルーリア伯爵に変装しておりますが、アーサーの変身魔法はジェイド直伝の光魔法ベースで色変えや印象変えを使ったものです。狐の双子姉弟のように体型や性別まで変えることはできません。
というのを踏まえて、セシル伯爵の情報をまとめると↓
①セシル伯爵は夜会に現れると新聞に載るほど人間嫌いで有名。(愛妻家でも有名)月森Ⅰ 24話
②領主としての責任感が強く、末っ子が不安定な時期(13歳頃まで)は森から滅多に離れられなかった。月狼伯爵2-6
③しかし月に一回程度アルの手紙を持ってセラに会いに来る。
④月森Ⅱと月狼伯爵から見る通常のセシル伯爵は貴族らしい厳格で自他共に厳しい性格(エリオットに対しては除く)。口調も割と高圧的。
⑤しかしセラの印象は『私の知る伯爵は、アルの手紙とプレゼントを持ってふらりと遊びに来るダンディで素敵なおじ様だ。顔を合わせる度に『何か欲しいものはないかい? セラはいつお嫁に来てくれるのかな?』と聞かれるので、最近は少し気まずい思いをしていたけれど……。』月森Ⅰ 24話
⑤アーサーの変身魔法は色変えや印象変えがメイン。性別や体型を変えることはできないが、印象を変えて見た目年齢を変えたりできる。
⑥長男、三男、四男はパパ似。
ということで、リーネ家に度々遊びに来ていたレグルス・セシル伯爵は、当時森の外に住んでいてセシル家の名代として暗躍していたアーサーが化けていたのでした。
レグルス様もセラには優しいと思うけど、森で伯爵に会った時、キャラが違い過ぎるのでセラは混乱したはず。アルがあんなことになっていたので、それどころではなかったけれど……。
当時のアーサーはアル(月神)の下僕状態なので、定期的にお手紙やプレゼントを届けるという重要任務を任されていたのでした。「いつお嫁に来てくれるのかな?」は本当に心底知りたかったでしょうね……。それ如何でアビーと里帰りできるかが決まるもんね。
ちなみに月森Ⅰ 38話『絡みつく夢』に出てくる伯爵は本物です。
今回はここまで。また小ネタが増えましたらご紹介したいと思います。