南足洵ノ佑です。
このたび、新作中編『最終兵器 ――トラップタワーの『罠』――』の公開を始めました。
依頼の内容は、辺境の村に建つ塔の調査。報酬は、駆け出し四人が一年遊んで暮らせる額です。
つまり、桁が違う。安すぎる仕事には裏があるものですが、高すぎる仕事にも、やはり裏があるのです。
◆ 舞台:窓のない塔
交易都市ミラードから東へ徒歩半日、ローエン村の外れの森に、それは建っています。
二百五十六層。窓は、ひとつもありません。
これまでに五十七名が挑み、そして——記録の上では、誰も死んでいません。
塔の壁には、几帳面な字の張り紙が貼られています。「危険です。引き返しなさい」。
罠だらけの塔が、なぜ侵入者に忠告をするのでしょうか。
◆ 宿〈鉄床亭〉の四人
レン=ダルトン(26)剣士。損な役回りを引き受ける癖のある、この物語の語り手。
イルザ=ヴェント(29)魔法使い。西方の魔導都市カルバチアの学府出身。誰より早く「この依頼の形」に気づく人。
トト=クイン(18)斥候。錠と罠を見る目だけは、四人で一番。
ダン=ボーグ(34)神官。教会に拾われて育った男。だからこそ、教会に躓きます。
◆ 立ちはだかる二つの顔
セドリック=ギャリントン卿 — 都市騎士団の貴族。ある「石」を、出所の怪しい金で買い上げた人。
ジョン=テンプル司祭 — 「神の家を保つのは祈りではなく、力です」と言い切る、聖燈教会ミラード教区の実力者。
冒険者は、彼らにとって剣ではありません。捨てても惜しくない駒です。
キャッチコピーは、こうしました。
「悪い人たちは、迷わないから。」
この一行が誰の台詞で、どういう意味なのかは、終盤の二話でわかります。
どうぞよろしくお願いいたします!