そういえば、中学生くらいの頃だったか、小説を少し書いたことがあった。
当時私は漫画を書くのが好きな少年だった。でもなかなか絵で表現をするのは難しいと思い、文章ならスラスラとアイデアを書き溜めていけるのではないか、と安直な思いとともにペンを取ったのだった。
当時は1995年(いやそれよりちょっと前くらいだったか)現代のようにPCは全く普及していない時代。都会の家庭にはワープロなどというものはあったかもしれないが、片田舎には無用の長物であり、とにかくノートに鉛筆で書いていくことが、文章を書く唯一の方法であった。
それが故に「書いては消して、消しては書いて」の苦労がとにかく大変、いや端的に言うと面倒ーだった。いくつか書いたものの、遊びに来た友達に途中の文章を見られて、なんとなく気恥ずかしくなり、書くことを辞めたのだった。
当時私は創作意欲の塊であったと思う(いや小説はすぐに辞めてしまったのだけど)。
絵を書くこと、漫画を書くこと、漫画のストーリーを考えること、これらは格安の道具で実現できた表現だった。
中学に上がると兄がギターに興味を持った影響で、私もギターを手にすることになる。元来音楽好きだった私が音楽に興味を持つことに時間はかからなかった。
ギターを手にして以来、漫画や小説といった物語を作ることからは完全に離れてしまったのだが、こうして25年も経った今、この素晴らしいサービスを利用して、小説を書こうとしている。
なんでこのサービスにここまで心惹かれているかはよくわからない。単純にコンビニエンスに創作活動が始められるから?それもあるかもしれない。
でも本当は、心を失うくらいに忙しくしている自分が、少しでも創作活動を通じて心を取り戻せることを願ってるような気もしている。