遅ればせながら幣作『巻き込まれにくる系主人公がポップした』が3000PVを突破しましたこと誠に感謝申し上げます。
見切り発車で書き始めた本作をニケ月近く毎日更新できたのはひとえに読者の皆様の応援のお陰です。
お礼になるかは分かりませんが本作投稿の裏話を。
元々の予定では六月末を目途に別の中編を投稿する予定でした。
現在の進展七割、楽勝だな。
さらに二万字ほど書き進めたところで、全体の流れを見直した作者は進展が五割に後退していることに気づきました。
何故?
何故も何もなく文章を盛りたがる作者の悪癖が発揮された結果でした。
バランスを取るために書き溜めた文章まで盛っていけば進展が下がるのは必然。
足し算するばかりで引き算が苦手な作者の自業自得です。
真顔になった作者は当初の予定を放棄し、ネタ帳を引っ張り出しました。
しばらく前に深夜のノリで用意したタイトルで、何でもありの主人公と世界観で短編連作のようなことをやりたかったのだと思います。
短編ベースなら盛るにも限度があるだろうし書きたいネタを後乗せするのも楽。
アイデアを整理し時系列を当てはめた作者は半月ほどストックを用意すると見切り発車で投稿ボタンを押しました。
こうして連載を始めたのが本作『巻き込まれにくる系主人公がポップした』です。
学園の案内に十二話をかけた時点で作者の悪癖から逃れられていないのは明らかなのですが。
例えば記憶に新しいマラソン編のプロット? はタイトル含めてたった五行。
◇
みんなでかけっこよんとうしょう
長距離走の大会にお邪魔した私はランナー姿。
未来視でアンカーが遅刻すると知っていたのだ。
ピンチヒッターとなった私は四位でゴールした。
まあ、超能力を使うわけにもいかないからな。
◇
どうしてこれがああなる?
プロットからかけ離れようと勢いで書き続けるしかないのが毎日更新の辛いところなのだと学びました。
今日から予約投稿が始まるゾンビ編の場合。
◇
蚊
「蚊か」
常時展開したサイコフィールドに押しつぶされた蚊の様子に違和感を覚えた。
サイコメトリーで違和感の正体を探れば、この蚊は特殊なウィルスのキャリアーとなっていたようだ。放置すればゾンビパニックが起きるだろう。
ふむ、段々と索敵範囲を広げていく。
町内、県内、それどころか国内にも反応はなかった。となると。
「見つけた」
なるほど。南アメリカの地方都市で感染が広がっているらしい。
現地にテレポートした私は惨状に眉をひそめた。
建物が燃え、ゾンビが生者を襲っている。
「貴様が私を呼んだのだろう? 少しばかり力を貸せ。後始末はこちらでやる」
至高の私と言えども時間操作は簡単ではない。適当にやれば公転軌道がずれたり地球がパーンとなるのが時間遡行の恐ろしさだ。
だから私は、惨状をどうにかするために地球の手を借りることにした。
そもそもの話、この私の所に蚊を送り込んだのは地球なのだ。
発生から一日、早期に助けを求めてきたのは良いが、ならば少しは動け。
「やれ」
私の合図とともに時間が一日巻き戻った。地球ならではの被害地域に限定した繊細な時間遡行だった。まあ、多少の齟齬は出るが仕方ない。具体的には一日の間に脱出した人間がふたりに増えたりしているはずだ。
後は私の超能力で全てのウィルスを消し去ればコンプリート。
ゾンビパニックで死んだ人間はいなくなった。
◇
後の始末
ふたりの男は瓜二つ。記憶も同じなら遺伝子も同じ。
厳密にいえば数日分の記憶が異なっている。
一方ははゾンビパニックから生還した記憶を持っていて、もう一方は平和に暮らしていた記憶しかもっていない。
地球の時間遡行によって生じた齟齬がこれだ。
後始末は任せろと言った手前、私には地球が起こしたアクシデントをフォローする必要があるのだ。
やれやれ、言ったからには仕方ないなあ。
男の主張はこうだ。自分だけ辛い記憶を抱えて辛いと。
男はコメディアンだった。これからはふたり仲良く双子芸を持ちネタにやっていけばいいと思う。
◇
お盆に書き上げたせいか当然のごとくプロットを逸脱してしまいました(汗)
果たしてショートショートサイズのプロット(プロットなのか?)からどんな話が出来上がったのか、お楽しみいただければ幸いです。