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「コレンシウ伯爵とその子供たち」こぼれ話

ということで、ここにはこぼれ話でも書いておきます。

舞台になるローゼンブラウ公国は、大公を戴く立憲君主国家。欧州はフランスの付近にある小国、という設定です。人口も少なく、自然豊かな国でのどかだけど1980年代以降経済的に急成長した豊かな国です。イメージとしてはルクセンブルク公国をはじめとしたベネルクス3国で書き始めました。地名、人名の一部には近隣諸国であるドイツの影響が強く、食文化はフランス+イタリアの影響、みたいなイメージです。周辺国の影響が強く、ローゼンブラウ独自の言葉に、フランス語、ドイツ語、イタリア語、オランダ語、英語あたりを第2言語として使いこなす人が多いイメージ。EU加盟国です。

古くは王や教皇の飛び領地だった穀倉地帯ローゼンブラウ、というイメージで、農業・酪農ベースの国です。古くからの名産品がワイン。共産主義時代は経済的に危うかった時期もあったけどとにかく食べ物があれば死ぬことはない!という感じでみんな割り当てられた土地を耕し、菜園などで自分のご飯を作っていた。そういう意味で土いじりが染みついている土地かもしれません。農作業で忙しくなる時にはとにかく人手が欲しい!ということで、どこかからやって来る流れ者も働くなら住んでヨシ!という寛容さがありつつ、労働者の国としての気質が昔からあったかもしれません。

建築物は、共産主義時代の影響で、オフィシャルな比較的新しい建物スターリン様式+アールデコの独特な様式のイメージ。駅や個人の店ではアールヌーヴォーで、特に個人レベルではブドウとのデザインの愛称の良さや自然豊かな国、ということで自然の表現が得意なアールヌーヴォー風が好まれる、みたいなイメージ。

お役所の人が「公務員は職務の在り方のお手本だからちゃんと休暇も取らないとダメ」と言うのは労働者の国だった、その名残、みたいなイメージ。私的財産と階級を否定する共産国家から、現在の貴族性を有する公国への転換は大いなる苦労が伴ったのだろうな、と思うのと同時に、「大粛清」と共に行われた苛烈かつ不当なブルジョワ批判にたいする名誉回復の意味もあったのだと思います。

アビーとテオの所属する大学はイギリスにありますが、これはオカルト的な事を好む気質や、貴族のいる国なのが彼らに馴染むかな、と思ってそう言う設定にしました。二人とも普段は寮で生活しています。
本作に出てくるキャラはみんなインテリですね……。逆に特殊な経緯を持つコレンシウ伯やダンさんだけがちょっと違う、という。

こぼれ話はここまで。また何かあったら書くかも。

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