描写にあたっての自分の気持ちのお話なので普通にXでポストしようかなとも思ったのですが、まあまあネタバレかなと思ったので、近況ノートに書きます。
53話から本日投稿の55話「靄の奥底に無意識は眠る」までの流れについて、私にとって渾身のお話でした。
この3話は、人が無意識に目を背けてしまう、無意識に楽な方に考えてしまう、そんな気持ちを正面から壊すお話になります。
その為に主人公の価値観、考え方の描写をずっと徹底してきました。
あまり深く考えず、目の前の結果に安堵し、でも本人には一切悪気はなく、性格も良いので嫌いにはなれないという人間性です。
性格が良いからと言って、全てに目をつぶっていい訳がない、ダメなものはダメだと直視しなければいけないこともあるのです。
キャラには嘘をつかず、今を本気で生き抜く。そんなお話を書きたいと思っています。
書いてる時はしんどかったですが、その分正直に、泥臭く描けたんじゃないかなと思います。
もし興味があれば、第一章の26話あたりからカナメの様子を追ってみてください。
本気でジンに謝罪をして、その後も誠実で生きてるつもりだったカナメですが、実は表面の問題しか汲み取れておらず、悪く言うと浅はかだった思考が見えてくるかもしれません。
人間の泥臭さ、感情の生々しさ、本気で生きていく人間たちのお話を、これからも描き続けたいと思います。