ナツガタリの締め切り日でした。
「ときめく小説大賞」の中華・和風ロマンス部門に、「送り犬は覚えている」で参加させていただいています。
参加して初めて、「私はロマンスというものをあまり知らなかったのでは?」ということに気がつきました。
参加してから気づくなよ、という話なのですが、広義的な恋愛要素がある=ロマンスだろう、くらいの認識で、ちょうど連載中だった「送り犬」の恋愛ifを置きました。
参加作品をいろいろ読ませていただくうちに、どうもロマンスにはロマンスの文法があるらしい、と感じました。
「ロマンス」として期待される感情曲線やイベント、文脈や語彙があるんだな、と。
読者と作者の間に、ある種の共通言語があるようなイメージを持ちました。王道が下地にあって、その王道と融和する独自性がある。もしくは、目新しさのなかにも欲しい快楽が保証されている……
溺愛、嫉妬、身分差、すれ違い、美麗な容貌の提示、恋愛的な報酬の置き方。もちろん作品によってさまざまですが、私はというと、送り犬にそれらの武器を与えてあげられませんでした。ずいぶん丸腰で、犬をロマンスの会場に連れて来てしまった感じがします。
途中、「ひどく場違いなのでは」と考えたこともありました。実際、一度コンテストタグも外しています。
そのタイミングで公式ピックアップに取り上げていただき、「これは、ここに置くことを許されたのでは!?😳」となりました。
とても嬉しかったです。「ロマンスの端っこに置いていていいのかな」と解釈し、またタグをつけて、こうして居座らせていただいています。ロマンスさんは懐が広い。きっと肩幅二メートル級のスパダリです。ありがとう。
とはいえ、ロマンスの文法を知ったからといって、送り犬に急遽イベントを実装するわけにもいかず。
嫉妬イベントを作ろうかな、と考えたこともありました。
ただ、送り犬のような恋愛文脈を知らない人外が「不快」⇒「嫉妬」に至るまでには何段階あるのか、と考え始めると字数がめちゃくちゃ増えそうで……
しかも千春が「やきもち妬いてるの?可愛い♡」などと迂闊に言おうものなら、送り犬のなかに成功体験が積まれてしまう。その学習は危険です。ホラーになっちゃうかもしれない!
ということで、送り犬は送り犬のまま、最後まで行くことにしました。
ただ、せめて規定字数だけは守って送り出したくて!
当初14万字近くあったものを、ひたすら削りました。「これ以上は血が出る」と思いながら、少しずつ毛並みを整え、締め切りぎりぎりに12万字以下へ収めることができました。
削ってみると、「ここ、同じ気持ちをもう一度書いているな」と見えるところも多く、自分には同じところを何度も撫でる癖があることも分かりました。
それから、コンテストのテーマや読者、レーベルを意識して、そこへ向けて作品を企画し、書き上げる方々がいることも知りました。 自分もいつか、そんなふうに書いてみたいです。
とても学びの多い初参加でした。
「火番の椅子」ではないですが、もう作品はこの手から離れたので、次の作品へ。
今度は自転車操業で連載せず、自分のなかでいったん完結させてから投稿してみたいと思っています。けっこう先になりそうです。
読んでくださった方々、本当にありがとうございました🫶