葉山弘士

平安京。 一条戻橋の夜、渡辺綱は“鬼”を斬った――はずだった。 陰陽師・安倍晴明のもとで始まる七日七晩の“忌み”の儀。 しかしその裏には、朝廷の権謀、虚実の入れ替え、 そして「…

かーごーめかーごーめ…… 子供達の間伸びした歌声で眼が覚める。 無邪気なものだ。 「おいおい鬼がいないじゃないか」 「じゃあ、お父さんが鬼ね」 「だあれは三回までだよ」 「外れ…

煩わしい他人との関係を嫌悪する僕。 好みの料理を作り、好みの洋服を身に付け、僕に忠実なアンナ。 彼女と暮らし、僕は幸せな筈だった。

女子高生の全裸死体が発見された。 暴力を受けた上、その死体は公園に放置された。 容疑者は佐々木昭太郎――。 誰がどう見ても疑わしい容姿をしていた。

わたくしどもの店は、もうずっと以前からこの枯葉町の一角で食堂を営んでおります———。 一応の友人、武藤に連れられて行った古びたレストランは、少し変わった店だった。

ロボットは子供の命令を聞かないように設定されていた……はずだった。 少年の言葉に、そのロボットは反応を示す――。 故障なのか、自我が芽生えたのか。 少年は戸惑い、両親は狼狽する。…

霊感がまったくない僕と、強い霊感を持つ妻。 先代猫ロスに陥っていた僕たちは、とある動物病院から一匹の保護猫を譲り受けた。 僕と妻と一匹と……の暮らしを、少し切り取りました。