ディッタースドルフは、最晩年に息子の口述筆記で自伝を遺しています。
18世紀の音楽家の人生や日常を知る一級の資料となっていますが、残念ながら日本語版はないので、英語版を読み解くしかないのですが、その中に面白い一節がありました。
なんと、「偽ヴァンハル」が登場するのです。その頃ヴァンハルを名乗る巡業音楽家が居て、ヴァンハルを直接知るディッタースドルフに堂々と「私はヴァンハル」と名乗ったそうです。しかもフルート奏者なのに。
ディッターフドルフ曰く「ヴァンハルはフルートを口にあてたことは一度もない」
これ以上名前を偽るならば、それなりの措置を取るぞと言ったそうです。
よく「偽物が出たら一流」と言われますが、「偽ヴァンハル」が現れる程この頃(1770年代前半ぐらい)には知られていたということなのでしょう。