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同窓会


雨虹みかんの作品はこれからも永遠に生き続ける。







帰り道を歩く。

時々、遠回りをして夢の中を歩くこともある。
世界は虚しい。
誰しもが孤独で温もりを求めているけどみんな知らんぷり。

恋はミルクティーだ。
いつだって恋は茶葉にお湯を注ぐところから始まる。ダージリン、アールグレイ、アッサム。ときにはティーカップにティーバッグを入れっぱなしにしたまま忘れて思いっきり苦くしたり、レモンの輪切りを浮かべたままにしたり。
ふやけたレモンをティースプーンでそっとすくう。
やっぱり世界は知らんぷり。

詩のようなものを、書きました。
わたしのメモ帳には完成しなかった詩集の欠片が散らばっています。

帰り道に黄昏のゲームセンターに寄ってみた。
そこには白鳥がいた。
なぜかゲームセンター内に文房具コーナーもあった。
小さなクレーンゲームの機械の中にたくさんの文房具が積み重なっていた。

おや。

私は耳を澄ます。

ひそひそばなしがきこえる。
小鳥のさえずりがきこえる。
オカメインコの声だろうか。

不思議なさえずりに引き寄せられるようにゲームセンターを出ると、そこにはすずらん畑がありました。

純粋 純粋 純粋

たくさんの純粋が咲いている。

そこにはリラちゃんもいて、叫んでた。

帰り道を歩き始めてから二時間ほど経っていた。私は自販機でメロンソーダを買う。
カラオケよりも安いけれど、スーパーで買うより高かった。
私は自販機でジュースを買った時の「ごとん」という音が好きだ。

音といえば、私はホルンの音色が好きだ。
脳内で後付けの青春が鳴る。
過去はべとついたキャラメルのようで、時々鬱陶しいけど、やっぱり甘い。
音楽室の窓から君に叫ぶ!

おーいと叫ぶと突然雪が降ってきた。
エナジードリンクのびりびりとした香りがする。

スノーメリークリスマス

どこからか、きこえた。
ちょっと早めのクリスマスソング。

コンビニの前で煙草を吸っているお姉さんがいる。
真夏のソーダアイスと花火の煙。
昼顔が枯れても、一生忘れない。

私はどこへ向かって歩いているのだろう。
「帰り道」と名付けたこの道の行き先を私は知らない。
帰っているふりをして、私はどこかへ向かっていた。

しばらく歩き続けると、立派なお城がそびえ立っていた。
お城の扉を開けると、そこにはなんと!

「久しぶり」

みんないました。
私はここが同窓会の会場であることに気付きました。
みんな私のことを見ています。

久しぶり元気にしてた?

会いたかったよう

誰も知らんぷりなどしている人はいません。
意外と世界は優しいのかも?
そんな風に思えました。

ミネラルウォーターでかんぱーい!

きっと大丈夫だと思えました。
夏の大三角からバニラが香りました。

お通しの綿菓子は桃色でした。

さあ、そろそろお開きにしましょう。

ねえ、みんな帰っちゃうの?

行かないでよ。

次同窓会が開かれるのはいつでしょうか。
それは誰にもわかりません。

今夜は、バレンタイン座流星群が見れるよ。

誰かが言いました。

お城の天井は透明なので、星空が見えました。

流れ星に乗せるには、私の感情は重すぎると思いました。

生きようと思いました。

そのとき、突然強い眠気に襲われました。

おやすみなさい。

良い夢を。 

誰かの声がきこえると、

わたしは眠りに落ちました。



〈了〉



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