わが家人は絶妙なタイミングでカチーーーーーン🧨 と来る一言をいう天才である。
ドアの塗り替えが続いていた先日のこと。
寝室のドアは灰色だった。しかし、ドア枠は真っ青さおの濃い青だった。
この真っ青さおを二塗りして、新しい薄灰色に塗り替えた。もちろん壁に色移りがしないように、枠の周りにはマスキングテープがぐるりと貼ってあった。
このマスキングテープだが、どれだけ気をつけようともテープが枠にかかってしまうことがある。二メートル近い直線にテープをミリ単位の正確さで貼るのだから誤差は出る。
なので、テープを剥がす時に枠にかかっていたテープが上塗りしたペンキも微妙に剥がしてしまい、下から真っ青さおがこんにちはしてしまう箇所が出てきてしまった。最大で一ミリ幅の青が断続的に三十センチほど続いているような感じである。壁と枠の境界なので正面からは見えない。横に回り込むと見える程度である。
家人の性格を考えると「いいよ、それくらい気にならないよ」と言うのは目に見えていた。こういうのを気にするのは私の方である。しかし、万が一のことを考えて、それが気になるかどうかを聞こうと思った。
「マスキングテープを剥がしてるんだけどさ、枠にかかっちゃった部分で前の色の青が見えちゃってるんだよねー」
この後、続けて「どう思うか、ちょっと見てみてよ」と言うつもりだった。しかし、家人は間髪を入れずに答えた。
「そういのって枠にかからないように貼るもんだよね?」
はぁぁあ?? 言ったな? オレの悪口雑言が火を吹くぜ!
「ドア四つ分のマスキングテープを誰が貼ったと思っておりますの? 自分だったら面倒くさがってマスキングテープも貼らないのではなくって!? しかもミリ単位の正確さを保って貼るのがどれほど難しいかわかっていらっしゃいますの!? 一度現状を把握してから意見を仰っていただけるかしら!?」
(読者の皆様のメンタルを配慮して、悪口雑言にはお嬢様補正をかけております。)
これ以前にも、もう一案件あった。
歯磨きをしていたときに、通りかかった家人が言ったのである。
「水出しっぱなしだよ」
これを例えば、私のハハが言ったのなら怒らない。「はーい」と言って、水栓を閉めただろう。
しかし。しかし、である。
家人は歯磨き中に水を出しっぱなしにすることで有名なのである。私だけではない。彼の友人間でも「水出しっぱなし歯磨き男」として知られている。私も何度か注意した。が、「汚れた泡水がシンクに残っているのがイヤだ」という理由で、水を止めることを拒否したのである。したがって、こちら(友人を含む)はそれ以上言うのを諦めたという経緯がある。まさに「おまいう?」案件であった。
しかも、私が水を出しっぱなしにしていたのは、最後に口をゆすぐ段階で、磨いている間中水を出していたのではない。そのときに「たまたま」家人が通りかかっただけである。ここでもオレの悪口雑言が火を吹いた。
だが、家人はしれっっっっっとして答えたのである。
「オレはもう水出しっぱなしにしてないもん」
はぁぁあ?? うん十年も水出しっぱなしにしてたくせに、いつ止めたんでえ!?
「去年か一昨年の夏、水不足になったとき」
……そんなんでドヤ顔すんなや!!
はあ……。こういうときに炎上させず、冷静に対応するにはどうしたらいいんでしょうね……。