Q、時架さんと流羽瑠ちゃんに質問です!
風流国に歯科医院の分院を出そうと思っているのですが、この世界の歯科事情ってどうなっていますか?
虫歯や歯周病、抜歯なんかは誰が治療しているのでしょう。
あと、風流国内で開業するなら、どこが一番患者さんを集められそうですか?
ただし、「風神の爪痕」と「深淵の骸森」は遠慮したいです(笑)
A
流羽瑠「うわぁ! 歯医者さん作るんだって! 凄いね!」
時架「はいしゃ?歯の医術師のことか? いや、いらんだろ。
要は身体ん中の敵だろ? 気合でぶっ飛ばせんだろが、普通。
弱ぇ奴は小せぇ奴にも負けんだよ!
食って動いて寝ろ! 要は体力だ!」
流羽瑠「また、そんなこと言って。
歯医者さんは必要だよ! この間、歯が痛くなったときに診てもらったんだよ。
さすがに青樹の治癒じゃ無理だって」
時架「軟弱者が。で? 何されたんだ?」
流羽瑠「ガリガリとかキーンとか、なかったよ。
口を開けたら、苦い薬を塗られて、なんか呪文を唱えてた。……痛いところから小さい悲鳴がたくさん聞こえてたから……多分、退治してくれたんだと思う……。
磨き残しがあるから、歯磨きの仕方もちゃんと教えてもらったよ」
時架「ふーん」
流羽瑠「この国の歯磨きって面白いよね。
丸くて青いグミみたいなのを噛むの。
ぐにゃぐにゃしてて、その中から風がすぅっと出てくるんだよ。
よく噛むと歯がツヤツヤになるし、歯ぐきも引き締まったみたい! 清涼感もあるしね!」
時架「まあ、あれはいいな。意外と美味いから、つい飲み込んじまうけどな」
流羽瑠「時架師匠様、歯の医術師様の国事情、分かる?」
時架「知るか。かかったことねーもん」
流羽瑠「そうだと思った。そんなときは……あっ、いた! 詩途!」
詩途「何か用かな?」
流羽瑠「この国に歯の医術師様が医療所を建てたいんだって。
将来お店を持ちたいって言ってた詩途なら、何かいい案があるかなと思って!」
詩途「そうなのか。この国では歯の医術師様は少ないから、城下町なら患者は集まるだろう。
だが、質のいい歯磨き玉が普及しているから、歯の病にかかる者はそこまで多くない。
そうすると……」
流羽瑠「そうすると……?」
詩途「歯を患いやすい者が多く、競合もいない場所がいい」
時架「ああ、あそこか」
詩途「そうだ。『風神の爪痕』だ」
流羽瑠「えっ! でも、歯の医術師様はそこは嫌だって……」
詩途「金銭と患者への貢献、その両方を望むなら、そこしかあるまい」
時架「だよなぁ。大陸をまたぐには、あの吊り橋を渡るしかねぇ。近くに医術師のいる街や村もない。
しかも、通るのは旅人や商人、野盗が大半だ。長旅で歯磨き玉が切れりゃ、歯の病にもかかるってわけだ」
詩途「さらに、強風で吊り橋を渡れず、足止めされる者も多い。
そこに医療所があれば、待ち時間に検診や治療を受ける者もいるだろう。
歯磨き玉も売れる。通りすがりに立ち寄る者も期待できるね」
時架「で、ありがたがった奴らが、次々と医療所の場所を吹聴するってわけか」
流羽瑠「ほぇ〜、二人ともすごいね!
経済は全然分からないけど……とりあえず、おすすめの場所は『風神の爪痕』のようです! 医術師様!」