昨日、ようやく重い腰を上げて、これから続きを書こうという「シナズノキミ」を読み返してみました。
最終更新が3年前。25000字。
覚えている限りでは……コンテストの最低文字数ラインを締切ぎりぎりとかになんとか仕上げた。話の内容は大まかに覚えているし、次にどういう場面を書くかもなんとなく覚えている。
なんでそこで止まっているかも分かっている……この後の展開が魔法とかの設定部分を開示する感じなので、そこを固めようとして時間を食っていたのだ、と。
3年前なんてもう大昔。最近は先週すら昔に感じるのに、3年前に急ぎで書いた文章なんてさぞひどいだろうなぁ、と思っていてだいぶ気が重かった。同時期に書いてたと記憶している「星夜見」のプロローグがひどかった印象だけが残っているのもあり。
なので、意外としっかりしていて驚いた。
……まあ誤字ではなく「脱字」がやたら目立ったが。
思いのほか、というか、場合によっては今よりちゃんとした文章、文体になってんじゃないか、と……。
……3年前より劣化してない?
……過去の文章を読み返すたび、そういう風に思います。
まあ、プロローグの文字数はさすがに今みると若干引きますが。
たぶんこの時期は「最初が勝負」「とりあえずみんなプロローグから先に見るはずだからここで気を引く」とウェイトをおいていたのだろうと思いますが、現実はプロローグ飛ばしてその次の「1話目」から読む人が多い印象です。シナズの方はどうだったのかは覚えてませんが。
最初が勝負、というのもあって気合入ってますね。これに関しては読者向けというより、書く側として、最初の一文、最初の雰囲気づくりは大事なので。
プロローグに関しては明確な意図があったのを記憶してましたが、思いのほか情報を開示していた。おそらく主要人物の特徴を出すために意識していたのかと。
書き方の面で見ると、「MOVE」に近い印象ですけども、最近書いた……「キンメ」「MOVE」と比べると、やっぱり全体の雰囲気、いわゆる文体というやつがだいぶ違って感じられます。
おそらくその時読んでいた本がハードカバーとかで出るような文芸系のものだったのも影響していると思われますが……。
現在は「三人称ベースで一人称っぽいライトさ」を目指して書いてますが、シナズの場合はいわゆる「神の視点」から一人称にフォーカスしている感じです。なのでシームレスに人物Aから人物Bの背景とか思考が描かれています。このあたりは「MOVE」でも意識してやってたのですが、印象がだいぶ違う。
おそらく短い構想で文字数を稼ぐ意図もあったと思うのですが、それにしてもなんかこう、今よりしっかりした文章だなぁ、と。しみじみ思う。文章というか、表現というか。意識して難しめの言葉を使って雰囲気つくろうとしている。
文字数稼ぐ、という点で見れば「……」とかを多用した方が効率いいというか「MOVE」はそうしてたのですが、おそらくこちらは「……」「――」みたいなのを極力使わないように意識していたのだと思われます。だから文章が引き締まって見えるのかも。
プロローグが長いのは世界観とかキャラクターとか設定とかを示しつつ、「対比」という表現をしたかったのを記憶しています。
同じ月を見上げていても考えていることが違う。言葉を交わしていても思い通りにならない側がいる一方、言葉ひとつなく意思疎通している側もいる。
あとはまあ、主要キャラを出してる中、ヒロインと不審者を1エピソードの中でふたりきりにしたくなかったんでしょうね……。そういえばこんなヤツいたわ、と思い出した。立ち位置的には男性主人公とヒロインを奪い合うライバルキャラ、に近いのか。どうなんだこのゲス。モチーフというか、イメージ元がなんなのかは今でも察することが出来る。つい最近その本読んだばかり。
その後の展開、ちょっとおかための雰囲気を崩そうという努力が見られますが、これは後述する資料に二度も「明るいダークファンタジー」と強調されているのも影響しているのだろうなぁ、と。
10万字を全体として見た場合、けっこう理想に近い25000字になってると思うのですが……今の自分は全体像が16~18万字であることを知っている……。
でもいちおうチェックしておくと、登場人物の裏表とか、世界観、設定について触れて、ほどよいタイミングで「決定的な出来事」が起こっている。しかし大事な設定について触れてない。
なのでまあ、4~6万字までに、食糧関係の設定と、今後の展開に繋がる死皇帝との問答とかを描くべきなんだろうな、と。
読んでいて気になったのが、「言語」の設定。おそらく当時読んでいた本の影響もあると思われるが、ロマンセ語とか古ロマンセ語とか、なんのこっちゃ、という。まるで覚えてない設定。
それから、人名とか地名。これについての「命名規則」を設けた記憶があったのでその資料を探したのだが、イメージしていた紙が見つからず。
でもたしかにあったはず、とさらに探して見つかったのは違うやつのそれだった。改めていちからチェックしたら即見つかった。灯台下暗し。
資料。前のノートに書いたのですが、白紙にいろいろ書いてブレストなどをしています。当時は思考を一新するために新しい紙に着手していたせいか、とにかく紙に量がある。ローマをモチーフにしてるのもあってそういう関係の情報をメモしていたりとか。チェック項目が多いのも腰が重い理由。
で、人名とかの命名規則は見つかったのだが。まあなんとなく読んでいて思い出した通り。言語についてもだいたい把握。
ロマンセ語っていうのはいわゆる文章的な、日本語的な表現に使われる言語のようです。「今日の空は青々と晴れ渡っていて、清々しい気分だ」みたいな。
セステン語というのは翻訳した英語みたいに、機能的なもので、「今日の天気は晴れ、空は青い、空気が気持ちいい」みたいな表現になるようです。
つまりロマンスとシステム。
資料を見ていて面白いのは、当時の自分の考えがいろいろと読み取れる点。まず紙のタイトルが「運命の恋B」。これは「運命の恋なんとかコンテスト」の企画Bということです。
今の自分の印象ではシナズはごりごりのダークファンタジーだったのですが、「明るいダークファンタジー」「恋愛要素多め、恋愛要素を入れる」とブレスト部分に書かれておりました。
以降、タイトルが「シナズノキミ」になっている紙では設定系について多めに書かれている感じ。恋愛はいつの間にか消えていった……。
アンデッドについて書かれてるくだりが特に面白くて。まずアンデッドだから骨と皮、どうやって動いているのか、という部分を考えていて、そこからおそらく「結晶的なもので補われている」とかいう思考に及び、「食べ物の保存料」「ミイラ化」という発想に行き着き……。
とまあ、話の核心を思いついていったようです。
現在はもっとざっくり、「地中の骨片などが集まってスケルトン化している」とかの案も採用していますが、当時はとにかく「荒野のあちこちに死体があって、それが夜になると動く」という考えにだけ囚われていた様子。
でもそれだと物量に限界があるし、その気になれば駆逐可能なので、他の量産手段が必要だった。
特に「次のエピソード」でアンデッドの軍団が出るからには、突然それだけの数が集まる、出現するための合理的な設定が必要で、妥協が求められたのである……。
あと忘れていたのは「魔法を使えるのはアンデッドだけ」という項目。
しかしまあ、設定的に見れば全人類使えそうだけど……その辺をどうするか。この辺りの設定関係はキンメよりもリアル思考・指向な感ある。
投稿ぶんでも試行錯誤、てこ入れが見られるが、人々の「世界観の感覚」についてが今後の課題かもしれない。たぶんつくってる当時は意識していなくて、いざ書き始めるころになって問題意識が出てきたのだろうと思います。
何かといえばまあ、モチーフとなる時代感はローマ帝国が東西に分かれた頃合い。歴史的には東ローマ、西ローマと分けられるのですが、当時の人々のあいだにはそういった認識はなく。みんな自分を「ローマ市民」だと思っていたらしい。この辺りのモチーフの採用。
それから、シナズの世界観は「城塞都市、都市国家」というかたちなので、余計にそういう「東西分裂」の意識が薄いはず。農民とかの一般市民には「国」という感覚も薄ければ、王様の顔とかも知らない訳で。
その辺の設定の補強……現実の知識を加えてどうにかしていく必要がありそう。この辺りはあれですね、シナズを書いた経験があったから、以降そのへんの情報を意識的にキャッチしていたのもあって、今の方がもっとちゃんと書けそう。まあ現在時点でもそれなりに言い訳は書けてるのですが。
ちなみにシナズのモチーフはローマ帝国なのですが……。
現実の歴史はあくまでモチーフにとどめる、という意識が芽生えたのもこの頃だったかな、とか思い出した。あんまりこだわりすぎると思考が狭まるので。
なのでまあ、古代ローマをなぞりつつ、歴史をカットアンドペーストしながら独自の時代背景をつくっていきます。「実際のローマはこうじゃなかった」とか言われることはまあないと思いますが、あくまでモチーフ、ということをここで改めて。
……問題は魔法周りの設定だよなぁ。
それよりストーリーの展開をつくらないとだけど、まずそこが障害となって先に進めないおそれある。
現実の歴史はあくまでモチーフ、と意識しつつも、現実の時代背景とか地理状況とかを参考にしてる中で、あれやこれやをどうまとめていくか。そうした背景設定をベースに魔法周りの設定を組んでいく必要があるので。
で、それとは別に、その後に追加された全盛期設定との合流。現実のモチーフにどう落とし込んでいくか、とか。
あっさりいけそうな感もあるが、いざやるとなるとけっこう努力が求められる……。
もう2週間もないけど、はたして間に合うのか……。
最低6日あれば残る6万字書けるかもだけど……ストーリーががが。
おそらく過去も、構想ストーリーに不安があったから内情系の情報を出しまくって文字数稼いだんだろうな……。当時の近況ノートとか見返せばそういうことが書かれてるかもしれないけど、まあ見ないよね。
こういう、冒頭のシチュエーションと設定、歴史背景だけ出来ていて、先の展開が出来ていないネタが多い……。今回資料探ししてるあいだにも、そういう……普通に記憶から消えていたネタがいくつも出てきた。
時間ないっていうのにキンメの方の魔法設定の再構成にこだわってしまっていた。とりあえずひと段落ついたので、とにかくシナズに集中する……。
現在の投稿ぶんもこれから手を入れる訳なので、今の状態が読めるのは期間限定です。あらすじとかキャッチコピーも変えないと、今のままだと読者を選びそうだし。