こんにちバード。
ペンネームに鳥の一字を借りるくらいには鳥が好きなので、先日、国立科学博物館の特別展「鳥」に行ってきました。ひとりで。
平日かつ開館時間より前に並んだので、そりゃあもう快適に鳥成分を補給させてもらいました。同じ展示に20分くらいいても飽きない。なんなら後でまた戻ってきて追加で眺めちゃう。
イチオシはやはり猛禽。クールでした。
ひとりでうろうろしながら、自分がなぜ鳥が好きなのか、ということに思いを巡らせました。
好きな理由の一つは、それぞれのライフスタイルに合わせて最適化された造形とか顔(?)。たとえば「ハゲワシは腐肉に頭を突っ込むから頭の汚れを落としやすいようにハゲている」とか、めちゃくちゃ面白いじゃないですか。
で、もう一つ好きな理由があって。
鳥の名前って面白いんですよ。
鳥は単に好きなだけで、学術的な部分はまったくの門外漢なので、間違ってることを言っていたら申し訳ないんですが、ちょっと語らせてください。
たとえば「サンショウクイ(山椒食)」という鳥。
変わった名前でしょう?
体長20センチくらいのほっそりとした鳥なんですが、山椒の葉や実を食べるからこの名前がついた……というわけではないのです。サンショウクイは昆虫しか食べません。
なんでこんな名前かというと、「ヒリリー」と鳴く声が「山椒の実を食べてヒイヒイ言っているように聞こえる」からだそうです。あだ名が本名になってしまった感じです。
あるいは、ブッポウソウという鳥は「ブッポーソー」と鳴くので大昔にその名が付いたのですが、実はその「ブッポーソー」はフクロウの仲間であるコノハズクの鳴き声で、千年近く間違えられ続けてきたとか。本物のブッポウソウは「ゲッゲッ」と鳴くらしいです。ぜひ調べてみてほしいんですが、見た目も全然似てなくて、なんで間違えちゃったのかなと不思議です。
こんな風に、鳥の名前は勘違いとか間違いとか、昔の人のノリで名付けられたものが多く、その由来を知るのが楽しいです。
名前と生態がチグハグになっている鳥なんかもいて、たとえばジュウイチという鳥は鳴き声が「ジュウイチー!」と聞こえるのでその名が付きました。それを「慈悲心」と聞きなして、慈悲心鳥とも言われるんですが、ジュウイチはカッコウの仲間で、別の鳥の卵を蹴落として、自分の卵を育てさせる(托卵)というエゲツなさを持っています。
いやあ、書いてたらまた行きたくなってきましたね。展示の量もさることながら、それぞれの解説プレートにさっき書いたようなことが書いてあったりして、読み物としても楽しいんですよ。
話が大きく逸れましたが、こういう風に人間が(イメージとか勘違いによって身勝手に!)名付けた鳥たちが、そんなのはどこ吹く風で飛んだり跳ねたりしてるのが、飄々としていて愛らしいんです。人のエゴイズムを中空から見下ろして、颯爽と飛びさる姿が格好いいんです。そういう鳥への憧れのようなものが、自分の根底にあるのだと思います。
ちなみに私が一番好きな鳥は「ノスリ」です。
タカの仲間ですが、漢字で書くとなんと「鵟」。狂った鳥!鷹狩りに使えないので「くそとび」とかいう身も蓋もない別称(もはや蔑称)すらあります。しかも奈良時代からそう呼ばれていたとか。
でもそんなのはノスリくんたちには関係のないこと。人間中心に考えないでほしいよね。
同じエゴなら好意的なエゴでいきたいところ。
飛べ!ノスリ!応援してるぞ!!
(おわり)