うちのとなりの家には、
幼なじみの鳥居天という女が住んでいる。
とりい、てん。
名前が完全に、とり天。
そんな個性的な名前は、
いったん塩つけて味付け。
なぁ、天よ。
これは空という意味ではない。
幼なじみのテンよ。
これは動物のテンではない。
天さま、よ。
あなたは落ち込むと、
いつもいつも、
ZOOOOOOOOOONという、
効果音? オノマトペ?
を落としていきますよね。
ドラえもんの、
コエカタマリンじゃないんだから。
それを毎度毎度、
拾って処分してるのは僕です。
クラスでは、
ズーン係のガクと呼ばれています。
ズーン係ってなんですか。
あっ、そんな話をしていたら、
当の本人が家を出てきました。
声をかけましょう。
「おはよう! とり天!」
「おは……あっ!」
天さま、
家の前ですってんころりん。
膝を打ったのか、
痛くて落ち込んでいます。
あっ。
ZOOOOOOOOOONが、
彼女から飛び出てきました。
ちなみに、
Oは十個です。
この前、九個と間違えたら、
天さまに怒られました。
そこにこだわりあるんだね。
「大丈夫か? ズーンは拾っておくから、バンソーコでも貼ってきな」
なにこの、カッコいい風で、
すごくカッコ悪いセリフ。
ズーン拾っておくから、
ってなんですか。
「いつもありがとう、ガクくん。消毒してくる!」
天さま、登校一秒でお帰り。
さて、ズーンを拾いましょうか。
このズーンね、意外と大きいんです。
ZOOOOOOOOOONをね、
全部つなげたら、二メートルくらいかな?
触り心地はね、ふわふわ?
いや、ちょっとかためです。
なんの話をしてるんですか。
処分の方法に関してです。
「ネギのとうふー!!」
って叫ぶと、
「おっ、呼んだか?」
烏天狗のミオちゃんが、
山奥から飛んでくるので、
ミオちゃんにズーンを差し上げます。
ミオちゃんはね、
ズーンが大好物みたいです。
「いただきまーす!」
まずは三個目のOから食べます。
「ごちそうさま!」
早っ! 一口っ!!
「ありがとう、ミオちゃん!」
「またね。ガクくん!」
余ったこのズーン、
どうしようかな。
これって燃えるゴミでも、
燃えないゴミでも、
粗大ゴミでも、
もちろんプラでも、缶でも、
ビンでもないので。
困ります。
いっそ、ZOOだけ残して、
近くの動物園の入り口に置いてこようかな。
ズーン・テクノロジー企業。
ZOOOOOOOOOONで、
橋を作ったら、たぶん時間経過で落下。
ちくわブロックですね。
ZOOOOOOOOOONで鍛造。
聖剣ズーン。弱そう。
ZOOOOOOOOOONでタワー。
なんか、もう、考えるのも面倒。
ZOOOOOOOOOONって、
もしかして2進数ですか?
知りません。
ZOOOOOOOOOONは、
ZOOOOOOOOOONです。
「ごめん、お待たせ! いこっ!」
天さま、準備完了。
とりあえず残りのズーンは、
僕が背負っていきます。
ズーン。