いつも『そのダンジョン事故、保険金は出ません。』を読んでくださり、ありがとうございます。
本日公開分をもちまして、第二章が一区切りとなりました。
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
第二章は、第一章に比べると、かなり「動きの少ない章」だったと思います。
派手な戦闘や、大きな場所の移動。
分かりやすい敵との直接対決。
そういったものよりも、事故査定課の中で資料を確認し、ログを読み、報告書を見て、言葉の意味を一つずつ詰めていく場面が中心になりました。
会議室。
端末画面。
記録。
書類。
報告。
そして、査定。
WEB小説としては、かなり硬質な章だったと思います。
けれど、この第二章で描きたかったのは、まさにそこでした。
ダンジョンでの事故そのものが終わったあと。
現場から人が引き上げたあと。
報告書が作られ、処理が進み、誰かが「終わった」と判断したあと。
それでも、まだ残っているものがある。
記録の中に残った違和感。
言葉の使われ方。
誰かが見落とした小さなズレ。
そして、「本当にそれで終わったと言えるのか」という問い。
黒木たちは、そういうものを拾う側の人間として描いています。
この作品は、派手に敵を倒す話ではありません。
もちろん、相手の理屈を崩していく場面や、読んでいて気持ちよくなる瞬間は大事にしています。
ただ、それ以上に大切にしているのは、
「終わったことにされたものを、本当に終わったと言えるのか」
という部分です。
黒木にとっての戦場は、ダンジョンの中だけではありません。
机の上に置かれた書類。
画面の中に残ったログ。
報告書の一文。
聞き取りの沈黙。
誰かが何気なく使った言葉。
そういうものも、黒木にとっては剣や魔法と同じくらい重要な武器です。
第二章は、その武器を使って、事故のあとに残った違和感を一つずつ追っていく章でした。
硬い場面が多い章だったにもかかわらず、コメント、応援、フォロー、星などで反応をいただけたことが、本当に励みになっています。
この作品の「ログを読む」「書類を読む」「言葉のズレを査定する」という少し変わった部分を楽しんでくださっている読者の皆様には、改めて深く感謝申し上げます。
ここから先の章では、第二章で積み上げたものが、また別の形で動き出していきます。
第二章で見えてきた違和感。
黒木たちが拾い上げた記録。
まだ言葉になりきっていないもの。
そして、事故査定課がどこまで踏み込むのか。
そのあたりが、次の章の大きな軸になっていきます。
詳しい内容はまだ伏せますが、黒木、御園、相沢、真鍋課長たちが、それぞれの立場でどう関わっていくのか。
そして、事故査定課が「もう終わった」とされたものに、どう向き合っていくのか。
引き続き見届けていただけると嬉しいです。
第二章までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
第三章も、どうぞよろしくお願いいたします。